miracle² from ミラクルちゅーんず!、なぜ親子で応援したくなる? サウンドを軸に考察

 5人の戦士が共に戦う。設定は『スーパー戦隊』に近い『ミラクルちゅーんず!』ですが、ヒロインたちが小学生〜中学生と非常に若いこと(『戦隊』シリーズは基本的に高校生以上)、ダンスや歌をメインとする闘い方、またすべて女児向けに作られたディテールの細かさなど、特撮の歴史の中でもかなり新しいトライアルだと思います。ダンスミュージックを主体とするサウンドも、最先端ではないけれどJ-POPとしてしっかり聴ける、ついつい口ずさみたくなるクオリティ。90年代の小室哲哉を彷彿とさせるビートの感触もあるので、二世代でハマる親子も多いというのは納得。子供が見ているうちに親も興味を持ち、リアルに彼女たちを応援したくなる。そうして幅広いファン層を獲得していったようです。

 ポップス好きはもちろん、アイドル志望やダンサー志望、またドラマ好きやアニメ好きにも訴えかける美味しい要素が満載の『ミラクルちゅーんず!』。スタートしてまだ一年足らずのドラマなので、可能性はまだまだ未知数。さらなる大きなムーブメントになるかもしれません。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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