カイワレハンマーは“YouTuber”の垣根を超える存在に? ワタナベマホトの多彩な活動に迫る

 休止の理由は、YouTuberとしての知名度の高さに「甘えている」、音楽的な実力が伴っておらず「スキルがまだまだ」と、BEMA自身が感じたためだという。とはいえ、休止期間中もそれぞれソロで活動し、BEMAはアルバム『侵略的隙間』をリリース。また、BEMAとimiga、ゆうこん(Amaryllis Bomb)、サグワによる4MC新ユニット「quad4s(クアッドフォース)」も結成し、休止発表から約1年後となる2017年4月、満を持してカイワレハンマーの活動を再開させたのだった。

【MV】カイワレハンマー「最高path」 Full

 過去には、LITTLEやSHOCK EYE(湘南乃風)、トラックメイカーの熊井吾郎も制作に関わるなど、カイワレハンマーのサウンドはかなり本格的だ。だが、人気YouTuberということで、他のアーティストからは「なめられることが多い」と本人らも語っている。そんな中、昨年12月にリリースされたアルバム『【閲覧注意】セカンドシングル出してみた結果www』は、YouTuberとしてのバックグラウンドを全面に押し出したタイトルとなっており、これまでにない“振り切った感”がうかがえる。

 音楽の道一筋のいわゆる“アーティスト”とも、演奏動画を中心に投稿する“音楽系YouTuber”とも異なるカイワレハンマー。彼らは、唯一無二の“YouTube系ヒップホップユニット”として、新たなシーンを牽引する存在となるかもしれない。2月14日にリリースする5thミニアルバム『Regression』は、タイトル通りコンセプトやサウンド面を1stアルバム『BegInner』に“回帰”した作品となっているとのこと。同作の仕上がりも楽しみだ。

■まにょ
ライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter

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