LDH、エイベックス、吉本興業……エンタメ系企業による社会貢献の可能性

 この20年余りの間、持続可能な社会を築くために、企業は利益だけを追求するのではなく、社会への貢献を目指すことが必要とされ、「CSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)」が説かれてきた。一方で、2010年代に入ってからは、「CSV(Creating Shared Value/共通価値の創造)」がビジネスシーンの話題に上がるようになっている。慈善活動的な意味合いの強いCSRに対し、企業が本業を発展させる(=利益を追求する)ことで社会的課題の解決を図ろう、という考え方だ。例えば、自動車メーカーがハイブリッドカーを開発・販売することで、環境問題の解決に寄与しながら利益を上げるといった例がこれに該当する。エンタメ企業が自社のタレント・アーティストを起用して社会貢献活動に取り組むやり方は、後者の考え方に近いといえるかもしれない。

 LDHは先日、新たな事業「LDH farm」、「LDH wedding」を立ち上げた。いずれはこうした活動も、従来の企業によるCSRとは一味違う、エンタメ企業だからこその試みとして、社会貢献につながっていく可能性がありそうだ。

(文=斎藤岬)

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