Little Glee Monsterが語る、紅白出場の喜びと3rdアルバムでの“音楽的挑戦”

リトグリが語る“音楽的挑戦”

やれることの幅が広がったからこそ、欲も出てきた(かれん)

ーーその2017年の成果が、ニューアルバム『juice』にもしっかり表れていると思います。じっくり聴かせてもらいましたが、すごいとしか言いようがなくて。とにかく新曲がめちゃめちゃ良かったです。

5人:ありがとうございます!

ーー「だから、ひとりじゃない」や「OVER」といった既発曲はアニメ主題歌ならではの、縦ノリの突き抜け感が強い一方で、新曲には流行りの洋楽ポップスのフォーマットに沿った横ノリ感がある。そのバラエティの豊かさは、これまで以上だと思いました。

芹奈:曲調的にもサウンド的にも、このアルバムはかなり世界を意識したアルバムになったんじゃないかと思います。

manaka:今までのアルバムと比べて、今回は曲のテイストが違うものがたくさんあって、聴いていても新鮮で。なので、「これが好き」と引っかかる曲がひとつはあるんじゃないかな。

ーー確かにそのとおりですね。ちなみに、レコーディングではどういったところにこだわりましたか?

かれん:私は、自分が納得いくまで歌うとことを意識したかな。1回録っても、後日改めて聴いたときに自分的に納得がいかなかったら歌い直してみたり。今まではあとから「もうちょっとこうしておけばよかったな」と、自分の中の後悔だけで終わっていたんですけど、今回は曲の雰囲気に合ってないと思ったら、もっとこう歌ったほうがいいのかなと歌い直したりしました。

ーーそのジャッジが自分の中でできるようになったと。

かれん:たぶん。それと、以前は引き出しが少なかったから満足のいく表現ができなかったのかも。でも、経験を積んだことでやれることの幅が広がったからこそ、欲も出てきたのかもしれません。

ーーそういった影響なのか、それとも曲調によるものなのかはわからないです、全体的に大人っぽくなった印象もあります。

manaka:今回はすべて5人編成になってから歌った曲なので、今のリトグリが詰まっていると思うし、そういう意味では少し大人になった感じはあるのかも。

MAYU:今まではちょっと背伸びをしてるって雰囲気しか湧かなかったものも、今回は等身大で歌えるようになった気がするし。確かにそうですね。

ーー大人っぽいというよりは、皆さんの実年齢にすごく近い作品なのかもしれないですね。収録曲を眺めて改めて思ったんですが、タイアップ曲が本当に増えましたよね。

アサヒ:嬉しいですよね。

manaka:1枚目(2016年1月発売の1stアルバム『Colorful Monster』)の頃はまだ数えるほどで、もちろんそれ自体ありがたかったけど、気づけばこんなにたくさんのタイアップ曲を歌わせてもらえているのは本当にありがたいですね。

ーーまた楽曲が使われる場面も、アニメからドラマ、スポーツまでと本当に幅広く。それは「リトグリの曲ってこういうジャンルにぴったりだよね」と限定されるよりも、いろんなシチュエーションに合う曲が歌える強みもあるんじゃないかと思っています。

manaka:そう言ってもらえると嬉しいです。こうやってジャンルの異なるタイアップをいただけるからこそ、いろんな方に届くように精一杯歌っていきたいです。

オリジナルを超えるより、新しいものを作る(芹奈)

ーーシングルでの既発曲に関しては過去3回のインタビューで触れているので、今回は新曲中心にお話を聞いていきたいと思います(参照:Little Glee Monsterが語る、“激動の2017年”と夢にかける思い「一番“鍛えられる”1年になる」Little Glee Monsterが明かす、初の作詞曲で挑んだ“新境地”「シンプルこそ難しいと改めて思う」『紅白』初出演も決定! Little Glee Monsterが明かす『陸王』劇中歌起用の裏側&新作での挑戦)。まず、前回のインタビューでも話題に上がった「Jupiter」ですが……その前に、テレビドラマ『陸王』(TBS系)の挿入歌としてもう1曲、中島みゆきさんのカバー「糸」も用意されていんたんですね。「まだ隠し球があったのか!」と放送を観て驚きました。

5人:(笑)。

manaka:実は「Jupiter」と「糸」の2曲が番組で使われることになったんです。毎回すごく良いシーンで流してもらえて、自分たちでも観ていて感動しました。特に<ひとりじゃない>ってメッセージがすごく伝わるシーンで流れると、これらの曲を歌えて本当に良かったなと思います。

ーーそういう経緯があったんですね。さて、その「Jupiter」ですが、リトグリは過去にもライブで披露していますよね。改めてレコーディングするにあたって、注力したポイントはありますか?

かれん:私は小学生ぐらいからこの曲を歌っていたので、たぶん平原綾香さんの歌い方が体に染み付いていたと思うんです。なので、どうやったら自分らしさがでるかを探しながら歌いました。実は「Jupiter」を平原さんがリリースしたのが19歳のときだったそうで、今の私と同い年ということにびっくりして。

manaka:歌い方も大人の女性の声って感じだし。そことどう差別化を図るかは、かなり苦労しました。

芹奈:なので、オリジナルを大切にしつつ、リトグリの曲として新しいものを作るという心づもりでした。

ーーそして、どこか初期のリトグリを彷彿とさせる、ゴスペル調の「Love To The World 」。この曲は歌ってみていかがでしたか?

芹奈:ここまでゴスペルっぽい曲は今までのリトグリにはなかったから、レコーディングしていてすごく楽しかったですね。それに、私たちの世代はゴスペルを聴く機会があんまりないと思うから、私たちを通して興味を持ってもらえたら嬉しいです。

ーー聴く楽しさはもちろんですが、この曲は一緒に歌う楽しさも大きんじゃないかと。ライブで盛り上がりそうな1曲ですね。

manaka:ですね。私たちのメジャーデビュー曲「放課後ハイファイブ」を書いてくださったKENさん(KEN for 2SOUL MUSIC Inc.)や福原美穂さんも作曲に加わってくださっているんですけど、私たちもこういうパワフルで初期の雰囲気に近い楽曲がすごく好きで。私たちのコーラスがうまく生かされつつ、5人の個性もすごく伝わるアレンジもリトグリらしいと思ったし、私はアルバムの中で一番好きな曲ですね。

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