E-girlsが追求するパフォーマンスの進化 E.G.family初公演で印象付けた革新性に迫る

E-girlsが追求するパフォーマンスの進化

 そして、最後に登場したのが11人体制となった新生E-girls。彼女たちのフォーメーションの新しさは、これまでも本サイトで論じてきた通りであり、今回のステージの配置は、特に彼女たちの新曲「Love☆Queen」のパフォーマンスを際立たせるためだろう。キャッチーな「LOVE」の振り付けは真似をするファンも多く、きらびやかさの中に親しみやすさも感じられた。3人のボーカルと、8人のパフォーマーによる新しいE-girlsは、鷲尾伶菜を中心に、今後も新鮮な音楽を届け続けてくれるはずである。(参考:新生E-girlsはどう進化する? 新体制の狙いを読む

 さて、ここまで『E.G.EVOLUTION』のパフォーマンスを、各グループの特色や音楽性と紐付けながら読み解いてきたわけだが、ひとつ確実に言えるのは、E.G.familyはEXILE TRIBEと協力して、今後さらにダンスを軸としたエンタテインメント表現を、世界の音楽シーンとも呼応しながら、さらに豊かにレベルアップしようとしている、ということだ。LDHはもともと、EXILEのメンバーが自ら立ち上げた会社であり、メインストリームで華々しい活躍をする一方で、その根底には海外のヒップホップシーンに強く影響を受けたストリート・カルチャーの精神を抱いている。独自の発展を遂げた日本の音楽シーンの中で、いかにしてダンスミュージックの魅力を広く伝えていくかが、大きなテーマだ。

 そんな中、E.G.familyは改めて、世界水準のエンタテインメントを、音楽性においてもパフォーマンスの面でも追求しようとしているのではないか。今回、EXILE TRIBEの面々ーー特にストリート色の強い音楽性を持ったメンバーとのコラボレーションをアピールしたのは、より幅広い表現をしていくことの意思表示だろう。一方で、Dream Amiのような歌謡曲も織り交ぜることで、誰もが楽しめる間口の広さもある。最先端のクラブミュージックから等身大の恋愛ソングまで、メンバーそれぞれが個性を発揮することで、よりバリエーションに富んだ表現ができるのが、E.G.familyの最大の魅力といえそうだ。

 最後になるが、15年の長きに渡る活動を続け、E-girlsをここまで引っ張ってきたDreamには、最大限のリスペクトを捧げたい。Dreamのメンバーが、どんな苦境にあっても決して夢を諦めなかったからこそ、E.G.familyは今、未来を見据えている。

(取材・文=松田広宣)

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