中居正広、ジャニーズ事務所残留なぜ決断? 太田省一氏に“物語の行方”を聞く

 ジャニーズ事務所が6月18日、昨年末で解散した元SMAPメンバーの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾との専属マネジメント契約終了を発表した。一方、同じく元SMAPの中居正広、木村拓哉は事務所に残留する。解散以降、各メンバーの動向に注目が集まっていたが、今回の発表でそれぞれが新たに歩む道が一つ示されるかたちとなった。リアルサウンドで『ジャニーズとテレビ史』を連載し、『中居正広という生き方』(青弓社)、『SMAPと平成ニッポン 不安の時代のエンターテインメント』(光文社新書)、『ジャニーズの正体 エンターテインメントの戦後史』(双葉社)を近著にもつ太田省一氏は、今回の報道を受けて以下のように語る。

「今回の発表結果については、それほど驚くことはありませんでした。いちファン、いち視聴者からの意見ではありますが、一人でも十分やっていける自立した5人がそれぞれじっくり考えた末の結論ではないかと感じましたし、なによりSMAPという一つの物語がまだ続くという感触を得ることができました」

 一部ではメンバー間の確執が伝えられ、9月の契約更新タイミングをもって、木村以外の4人のメンバーが事務所を離れるのではという見方が濃厚だった。しかし、結果として中居もジャニーズ事務所に残ることになったのだ。これについて太田氏は「中居さんらしい決断」だと語る。

「中居さんは、大局的な視点に立った優れたバランス感覚を持っていて、今回も多くの人々が安心できるもっともベストな結果を熟慮の末に選んだように思えます。中居さんはグループ解散以降、バラエティ番組のMCなどテレビをメインに活躍しています。『中居正広のミになる図書館』(テレビ朝日系)では、この4月からゴールデン番組の生放送に挑戦するという、いまのテレビではあまりなくなったスタイルを復活させることによって、テレビ本来の楽しさ、ワクワク感をもう一度取り戻そうとしているように見えます。そして、Kis-My-Ft2はじめ、ジャニーズの後輩たちをバックアップしつつ、いままでになかったようなコラボが増えてきそうな兆しもあります。自分を育ててくれたテレビにまず恩返しするという意味でも、後輩たちに対する責任を果たすという意味でも、残留を選んだという見方もできます」

 さらに、中居の事務所残留という選択には、中居からの“長い目で見守ってほしい”というメッセージがこめられているようだと太田氏は続ける。

「中居さんはこれまで自身の行くべき道について、5年、10年先を見据えた決断をしてきました。そうした彼のこれまでの生き方を踏まえるなら、中居さんがジャニーズ残留の道を選んだことによって、それですべてが解決するわけではないにしろ、SMAPというグループの未来に一つの可能性が見出されたように思えてなりません。今はそれぞれのメンバー全員が今後どのような活躍をしていくのかを長い目で見守りながら、焦らずに彼らのことを応援していきたいです」

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