『LiSAぴあ』発売記念企画
LiSAが語る、自身の快進撃と活動スタンス「一番の目標は『長くみんなと生きていきたい』」
不安を振り切り、今できることを精一杯!
──LiSAさんって、実はすごく地に足をつけた活動をしているなと思います。アーティストによっては「いきなりドームやってやろうぜ!」と、段階を飛ばして、実績を作ることが大事だと考える人もいる。そのなかで、LiSAさんはまずは目の前のお客さんのことを考えて、それに見合ったキャパ、やりたいこと、それを一つひとつ段階を踏んで今の地位を確立したんだなとあらためて実感しました。
LiSA:名誉って言い方はあれだけれど、「武道館に出た」とか、「アリーナを埋めた」という事実がほしいわけではなくて、確実なみんなとの思い出がほしいだけなんです。
──なるほど。トピックは時代の流れによって風化するかもしれないけど、共有する思い出というのは必ずしもそうとは限らないと。では、今というのはデビュー時には想像もしてなかった場所なわけですね。
LiSA:そうですね。まったく想像できていなかったです。あと、最初は「スターになること」を想像して武道館を目標にしたけれど、実際に武道館のステージに立ってみても、私はたぶん一生、私が思うスターみたいな人にはなれないな、と思いました。毎日サングラスでカッコよくキメて、リムジンでお出迎えがあって……みたいな人になれない(笑)。
──立つ舞台が変わっても、本質的な部分は変わらないと。
LiSA:例えば自分がドームでやったとしても、私はそういう人にはならないなって。変わらない、という意味では、もうすぐ30歳になるんですけど、最近はみんなに「30歳になるとき、どういう気持ちでしたか?」って聞いてるんです。それは、自分が30歳になったことがないから、そのときの気持ちを知りたくて聞くんですけど、多くの人が言うのは「あんまり変わらないよ。自分が思い描いていた30歳よりも、30歳って意外にこんなもんなんだなって思う」ということで。
私、20歳になったときにそう思ったんです。20歳ってもっと大人だと思っていたけれど、ずっと変わってない気がして、今も同じ感覚があって。だから私、この先もずっと変わらないんだろうなと思ってます(笑)。
──その感覚、すごくわかります。逆に自分よりも年下の人たちからは、自分は大人に見られているのかのも不安になったり。
LiSA:確かにそうですね(笑)。でも、大人に見られていると思います。ファンの子たちにも「LiSA姐(ねえ)」って呼ばれると、「あ、私って年上だった」ってハッとしますし。
──年齢を重ねるということ自体に不安を感じることはありますか?
LiSA:ちょっと前まで感じていました。というのは、やっぱり体力的な部分とか。この例えがあっているかわからないですけど、やっぱり全盛期に活躍されていたアーティストさんたちが、どんどん音楽性を変えていったりパフォーマンスを変えていったりしていくことって結構あるじゃないですか。特に激しい音楽をやってる人は。私は子どもながらにそういう世界に憧れていたので、大好きなアーティストの音楽性が変わっていくことに対してすごくショックだったんですよね。「めっちゃカッコいいパンクをやってたのに、どうしたの?」って。でも、彼らは彼らで年齢や経験を重ねれば自分の趣味も変わっていくし、大人になってもずっとできる音楽というのを自分たちで考えてやっていたんだということに、自分がその立場になってやっと気づいて。
──なるほど。
LiSA:例えば、何年か前にジャネット・ジャクソンさんのライブを観に行ったんですね。私、小学生のころに大好きで、パワフルに歌って踊る姿をDVDでしか観たことなかったんです。子どものころはそれを観て、真似して歌って踊っていたんですけど、来日公演で初めて生で観たときに、「ここは歌うゾーン、ダンスがメインのゾーン、バラードのゾーン、思いっきりロックするゾーン」みたいにブロック分けされていて。彼女もすでに50歳前後なわけで、パフォーマンスとしては各ゾーン、本当に素晴らしいんですけど、私が子どものころのイメージでは2時間フルで歌って踊って、彼女が20代だったころのイメージで観に行っちゃったから、それに対して「大人になるって、いろんなことを考えながらライブをしないといけないんだな」って考えさせられて。ジャネットが今も活動してくれていることだけで素晴らしいですし、それを最大限によく見せるために4ブロックに分けることもすべて素晴らしいんですけど、それでも20代のころの彼女を観たかったなと。
──もう叶わないことでも、「あのアーティストを全盛期のうちに観たかった!」というその感覚、よくわかります。
LiSA:でもそこで、私がこれから40になって50になって60になって、「Rising Hope」を今のスタンスで歌えるかと言われると「いや、微妙だなぁ」って(笑)。私、60歳になって「行けるかーっ!」って言ってるかなって考えたときに、その自分を想像してすごく怖くなったんです。自分が衰えて、今のように動けなくなって、もしかしたら喉の消耗だってずっと激しくなるかもしれない。それを30手前にして、より現実的な悩みとして受け止められるようになってきたんです。
それこそ今回のアルバム『LiTTLE DEViL PARADE』を作るときに、すごくそこを悩んだんですよね。私の一番の目標は、長くみんなと生きていきたい、ということ。そういう意味では、もうちょっとゆとりのある音楽をやらないと長く続けられないかもしれないけれど、実際に、今私に求められているのは激しい音楽で……という気持ちの天秤があって、どっちに進めばいいか、本当に悩んだんです。
でも、その結果として、一回全部振り払って「未来のことを考えるのはやめよう。今現在、自分でやれること、やりたいことを精一杯やってみよう!」と考えて。
──なるほど。そうして悩みを振り切ったんですね。
LiSA:だから、結局テンポが速かったり激しかったりという好きなものって絶対に変わらないし、そこは全然ブレていないんです。ただ、それでも振り幅として、例えば大きな会場でやれるような音楽があったりとか、もう少し歌力だけでやるような場所があったりとか、悩んだことは全然無駄にはなっていなくて。『LiTTLE DEViL PARADE』は、何でもかんでも詰め込んでいるお子様ランチみたいな感じではなく、きちんと一品ずつ食べられるフランス料理のフルコースのような作品に、少しだけ近づいたなって(笑)。今はそういう感覚になってきています。
【続きはLiSAぴあ本誌にて】
(取材・文=西廣智一/写真=中野敬久/ヘアメイク=田端千夏/スタイリスト=久芳俊夫(BEAMS))
■書籍概要
『LiSA ぴあ』
発売日:2017年6月17日(土)
判型:A4判/128 頁
定価:1,667 円(消費税別)
出版:ぴあ株式会社
※仕様、構成、内容等は変更される場合あり
発売:全国の書店、ネット書店にて
BOOK ぴあ URL
Amazonほかでも販売
<コンテンツ>
・巻頭グラビア&ロングインタビュー
・We Love LiSA!!
谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ)/田淵智也(UNISON SQUARE
GARDEN)/MAH(SiM)/三森すずこ/RINA(SCANDAL) ほか
・スペシャル対談 LiSA×May’n
・LiSA作品徹底ガイド
・バンドメンバーが語り尽くす、LiSA の素顔
・グッズでたどるツアーヒストリー
・緊急企画!LiSAッ子アンケート
・LiSA に100の質問!
■リリース情報
『だってアタシのヒーロー。』
発売:2017年8月2日(水)
価格:初回生産限定盤(CD+DVD)1,600円+税
期間生産限定盤(CD)1,300円+税
通常盤(CD)1,200円+税
※期間限定盤は「僕のヒーローアカデミア」描き下ろしイラストミニポスター封入&「僕のヒーローアカデミア」描き下ろしイラストジャケット仕様
『LiTTLE DEViL PARADE』
発売:2017年5月24日(水)
・初回生産限定盤(CD+BD) ¥3,800(税抜)
・初回生産限定盤(CD+DVD) ¥3,500(税抜)
・通常盤(CD) ¥3,000(税抜)
・完全数量生産限定盤¥5,000(税抜)(CD+BD)
三方背+「TODAY in L.A.」 48P photobook+「TODAY in L.A. the movie」 blu-ray +「YAEVA MUSiC」特製ラバーブレス
<CD収録曲>
「Catch the Moment」 ※劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール- 主題歌
「Rally Go Round」 ※TVアニメ「ニセコイ:」OPテーマ
「Brave Freak Out」 ※TVアニメ「クオリディア・コード」OPテーマ
「Empty MERMAiD」
「LiTTLE DEViL PARADE」
「そしてパレードは続く」 ※アパレルブランド「SPINNS」とのタイアップ楽曲
含む、全13曲を収録。
<Blu-ray / DVD収録内容> ※Music VideoはBlu-ray / DVDともに共通
「LiTTLE DEViL PARADE」 Music Video
「Catch the Moment」 Music Video
「Brave Freak Out」 Music Video
「Hi FiVE!」 Music Video
「TODAY in L.A. the movie」 ※完全数量生産限定盤のみ収録
■ライブ情報
『LiVE is Smile Always ~LiTTLE DEViL PARADE~』
6月24日(土) さいたまスーパーアリーナ
6月25日(日) さいたまスーパーアリーナ
7月1日(土) 日本ガイシホール
『LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~
「そしてパレードは続く」』
9月24日(日) 東京エレクトロンホール宮城(宮城県)
9月30日(土) ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)・大ホール
10月1日(日) 石川県・本多の森ホール
10月7日(土) 長良川国際会議場(岐阜県)
10月9日(月・祝) 静岡市民文化会館(静岡県)
10月15日(日) 川崎市スポーツ・文化総合センター(神奈川県)
10月21日(土) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール・大ホール
10月28日(土) 栃木県総合文化センター
11月3日(金・祝) サンポートホール高松(香川県)
11月9日(木) 中野サンプラザホール(東京都)
11月18日(土) 広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)(広島県)
11月19日(日) 福岡サンパレス(福岡県)
11月24日(金) わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)(北海道)