AMI×馬場ふみか「おかあさんへ」リリース記念対談

Chelsy AMI×馬場ふみかが語り合う、母親への感謝 「おかあさんへ」配信リリース記念対談

 5月24日にミニアルバム『WILL BE FINE TOMORROW』のリリースを控えたガールズバンド“Chelsy”のドラマーAMIが、母の日(5月14日)にソロ楽曲「おかあさんへ」を配信リリース。「いまのうちにお母さんに恩返ししないと、いつ何が起きるかわからない」(AMI)という思いから生まれたというこの曲は、母親に対する感謝と愛情を率直に綴ったミディアムナンバー。アコースティックな手触りのサウンド、温かさに溢れたボーカルを含め、母の日の定番ソングとして幅広く支持されることになりそうだ。(森朋之)

 「おかあさんへ」のリリースを記念して、AMIと親交のある女優・馬場ふみかとの対談が実現。「おかあさんへ」の制作秘話、母親との関係、母の日のエピソードなどについて語ってもらった。

AMI(Chelsy)

AMI「衝動や思いがすごく詰まってる曲」

――楽曲「おかあさんへ」の話の前に、AMIさん、馬場ふみかさんの交流について教えてもらえますか?

AMI:ふみかちゃんと知り合ったのは、『クハナ!』という映画の主題歌(「Kite」)をChelsyが担当させてもらったのがきっかけですね。ふみかちゃんも映画に出演していて。

馬場ふみか(以下、馬場):最初は映画の制作発表のイベントだよね。

AMI:映画の舞台となった三重県桑名市でイベントがあって。名物の蛤うどんのお店で打ち上げをしたんですけど、そのときに初めて挨拶したんですよ。

馬場:映画の舞台挨拶でも会ってたしね。Chelsyのライブを観させてもらったんですけど、「うわ! すごい!」ってなって。すごく楽しかったし、カッコ良かったんですよ。

AMI:ありがとう。その後、『クハナ!』の監督の秦建日子さんが演出した舞台(『月の子供 the Musical』)に出演させてもらったんですよ。ふみかちゃんも秦さんの舞台に出たことがあるし、そこでまたつながりができて。

馬場:うん。Chelsyの新曲が出るたびにMVも必ず見てますね。

AMI:私もふみかちゃんのグラビアをいつも見てます。憂いのある雰囲気だったり、1枚1枚の表情が違っていて、すごくきれいで。じっくり見てると感動するんですよね。ふだんはフワフワしてて猫みたいなんだけど、舞台に立ってると全然違うし。ファンですね、もはや。

馬場:私もChelsyのファンですよ。何か恥ずかしいね、こういう話(笑)。

――では「おかあさんへ」について。母親に対する気持ちをストレートに綴った曲だと思いますが、どうしてこの曲を書こうと思ったんですか?

AMI:私がバンドを始めたのは高校のときなんですけど、お母さんはずっと応援してくれてるんですね。ライブも毎回来てくれるし。ただ、就職をしないでバンド一筋になってからは、さらに負担や心配をかけてるんじゃないかなと思ってたんです。そんななか、去年の5月にお母さんのお母さん、私のおばあちゃんが亡くなってしまって。メンタルが弱った母を見たのはそのときが初めてだったし、「いまのうちにお母さんに恩返ししないと、いつ何が起きるかわからないな」と思ったんですよね。バンドもひと踏ん張りしないといけないタイミングだったし、まだ実家に甘えているし(笑)、いまのうちに親孝行したいと思って、自分の気持ちを曲にしておこうって。最初は思いのたけを弾き語りしただけなんですが、それを聴いたプロデューサーが「これをちゃんと形にしよう」と言ってくれて、配信させてもらうことになって。衝動や思いがすごく詰まってる曲だと思いますね、自分でも。

馬場:うん、すごいと思う。

AMI:赤裸々に歌ってるからね。手紙を書くような感じというか、シンプルに伝えたかったんですよ。だから難しいコードも使ってないし、サビもキャッチーにして。

馬場ふみか

馬場「曲を聴いてお母さんを思い浮かべた」

――「おかあさんへ」を聴いたとき、馬場さんはどう感じました?

馬場:曲が始まってすぐに温かさを感じたというか。色でいうとオレンジが思い浮かんできたんですよね。

AMI:あ、うれしい。私も曲を色で例えることが多いんだけど、「おかあさんへ」はオレンジ色かも。

馬場:あと、言葉のひとつひとつにAMIちゃんの思いが詰まってるなって。この曲を聴いて「私もお母さんのことをちゃんと考えないと」って思いましたね。特に<目尻のシワは恥ずかしくないよ/強く強く生きてきた証>という歌詞がいいなって。私のお母さんもアイクリームとかめっちゃ塗ってるけど(笑)、目尻のシワを含めて素敵な笑顔だなって思うから。「シワを気にするのはわかるけど、かわいいよ」って言ってあげたい。

AMI:言ってあげて! うちの母親、めっちゃ笑うんですよ。すごく大変なときとか、とても笑えないような状況でも、いつも笑顔で。そう、だからこそ……。

馬場 目尻にシワがあるっていう。

AMI:そうそう。「あなたが笑ってきたからじゃん!」って。シワって老いを感じる部分かもしれないけど、そんなに気にしないでほしいんですよね。お母さん、本当に強い人なんですよ。うちの家族はすごく仲良しなんだけど、以前、父が病気をして、家族が崩れかけたことがあったんですね。そんなときもお母さんがいてくれたから乗り越えられたんだと思うので。<壊れそうな時も側に居た/強い背中で引っ張ってくれた>という歌詞は、そのときの気持ちを込めてるんです。あのときにお母さんが耐えてくれたことで、いまの家族があるんだなってホントに感じてるので。

馬場:そんなに思いを込めた曲を歌うと、泣いちゃわない?

AMI:泣いちゃう(笑)。歌詞を書くときも泣いたし、弾き語りしても泣いたし。でも、レコーディングのときは泣かないようにがんばった。温かさを伝えたかったから、泣いちゃダメだなって。

馬場:AMIちゃんの声の柔らかさが出てるよね。そうやって自分の思いを音楽という形にできるって、すごいと思う。私には出来ないことだから。

AMI:私はしゃべるのが下手で、思ってることの最大限をなかなか伝えられなくて。言いたいことが上手く言えないから、曲を書くことで消化しているところもあるかも。「おかあさんへ」に関してぶっちゃけてしまうと、「いまのままじゃ合わせる顔がない」って、なかなか仲良くできない時期があって。「本当はありがとうって言いたいのに、言えない」って反抗期みたいな感じになってて、「このままじゃお母さんにカン違いされてしまう。本当は違うんだよ、ありがとうって言いたいんだよって伝えなくちゃ」と思ったんだよね。

馬場:そうなんだ。私もぜんぜん反抗期だよ。すぐ「うるっさいな!」って言っちゃう(笑)。

AMI:言っちゃうよね(笑)。

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