初音ミク、エヴァ、セーラームーン……増加するコラボコンサート クラシックファン層拡大の鍵に?

  実写映画化もされた『四月は君の嘘』や、直木賞を受賞した恩田陸による小説『蜜蜂と遠雷』、ドラマ『カルテット』(TBS系)など、このところクラシック音楽が登場する作品が注目を集めている。

 そんな中、クラシックの人気をさらに加速させるコラボレーションが登場している。昨年5月には『「艦これ」クラシックスタイルオーケストラ』、今年3月22、23日には『シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽』が開催され話題を呼んだ。ゲームを中心として展開される『艦隊これくしょん -艦これ-』は、サウンドトラックに収録されている楽曲の数々にオーケストラが、『エヴァンゲリオン』シリーズはアニメ作品中で「G線上のアリア」などのクラシック作品が使われており、映画『シン・ゴジラ』は鷺巣詩郎が手がけたサウンドをオーケストラが演奏しているなど、実はどの作品もクラシック、オーケストラとの相性は良い。

 さらに今年8月には、『美少女戦士セーラームーン25周年記念 Classic Concert』の開催も予定されている。これまで漫画からアニメ、ミュージカル、実写など幅広く展開されてきた『美少女戦士セーラームーン』シリーズは作中のBGMのほか、煌びやかな歴代のオープニング、エンディングでも管弦の音が目立つ。こうした比較的若いファンが多くを占める2次元作品とクラシックがコラボしたコンサートが徐々に増加しているのは、縮小しつつあると言われるクラシックファン層の拡大が狙いだろう。

 そんな中でもさらに新たな試みとして注目を集めているコンサートがある。昨年8月に開催された『初音ミクシンフォニー』だ。前述した作品はどれもクラシックやオーケストラと相性の良いものだったが、ボーカロイドである初音ミクはどちらとも一見結び付きにくい。しかしゲーム映像やダンサーも交えた、壮大なオーケストラとの意外なコラボは評判を呼び、同コンサートは今年8月に再び開催されることとなった。2次元とクラシック、オーケストラのコラボ、という試みが定着しつつある好例と言える。

関連記事