CHEMISTRYがいま“再始動”を果たす意味 2人の軌跡とシーンの変化を読み解く

 そして、川畑はカバーアルバムや鈴木雅之とのデュエット「Half Moon feat.鈴木雅之」などで、堂珍も次第にバラード楽曲でかつての自分たちから数倍にもアップグレードされた“らしさ”を見せるようになる。同時に、音楽シーンでは彼らに呼応するように、Little Glee MonsterやGoose Houseなど、コーラスを武器にする若手アーティストも次々と登場、LDH系アーティストのように“ハイレベルでメロディアス、かつクロめなボーカル”がJ-POPのスタンダードになっていったのがここ数年のことだ。

 そんななかでCHEMISTRYは再始動と新曲「ユメノツヅキ」を発表、楽曲はデビュー時と同じく松尾潔がプロデュースを担当している。ギターカッティングが心地よいメロウでアーバンなトラックは、国内外の音楽における今の時代を的確にとらえた楽曲だ。

 先日、東京国際フォーラム ホールAで行われた再始動ライブ『CHEMISTRY LIVE 2017 ‐TWO‐』。会場には、当時のファンに加え、その子供と思われる若い世代の観客も多く訪れていた。音楽的にも進化し、次世代のファンも増え、シーンも相性の良いタームへと移りゆく現在。まさに“機は熟した”といっていいだろう。

(文=向原康太)

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