木村拓哉が磨き続ける“魅せる”技ーー責任感と謙虚さが生んだスターの資質

 また、公式HPで「俺、あれ観て医者になったんですよっていうお医者さんがいてくれたらいいな」と語っていた木村。実際に、『What's UP SMAP?』でも未来の医療現場を支える看護学生からのお便りもあったが、なんと「聴診器のチェストピースはポケットに入れるとき、下向きにすると習ったのですが……」という、まさかの展開に。これには木村も「これは、ダメ出し……系……メール、なのかな?」と戸惑いをみせる。だが、すぐに「これはでも興味深いな。ま、でも、チェックのしがいがあるメールですね。このメールひとつで、全出演者の聴診器が逆向きに入るっていうことにはちょっと難しいかもしれないんですけれども、こういう意見はラジオに来てたよってことは、現場にちゃんと伝えたいと思います。ありがとうございます」と真摯に受け止めていた。

 言わずもがな、木村拓哉はスーパースターである。もちろん持って生まれた天性の才もあるだろうが、一方で生粋の職人気質を感じるのだ。自分の作品であるという責任感。細かな点にまでこだわることを楽しめること。そしてまだまだな部分を“興味深い”と受け取れる謙虚さ。人を“魅せる”という技を磨き続けるクラフトマンが、このドラマをどう仕上げていくのか、楽しみでしかたない。

(文=佐藤結衣)

関連記事