『SMAP×SMAP』最終回が残したもの 太田省一が番組内容を振り返る

 さらに太田氏は、12月21日にファンが団結し、クラウドファンディングで3900万円を集めた結果、朝日新聞の広告欄8面をジャックしてSMAPへの感謝を伝えた出来事について、このように分析する。

「この出来事を含め、SMAPとファンはこれまでのアイドルとファンの枠には収まらない、同志ともいえる関係性を築いてきたからこそ、この非常事態をより鋭敏に受けとめていると思います。だからこそ、ファンも社会貢献や復興支援といった彼らのやってきたことを受け継いで、8面広告では震災への義援金募集にも触れていた。まるでそれは、『世界に一つだけの花』の歌詞ではありませんが、SMAPの蒔いた種がまたひとつ花を咲かせたように私には映りました。このような現象が起こるのも、彼らが自分たちの社会的な役割への自覚をもちながら、なおかつそれをエンターテインメントに昇華していたからこそなんです」

 最後に太田氏は、彼らの今後についてこう語った。

「ポジティブにいうと『これで終わりじゃないのかな』という感覚を残してくれたのも、この最終回でした。例えばソフトバンクは最終回だけのために再契約をしてCMを作るというテレビ史にないことをし、番組の構成も歌が終わったあとにエンドロールで「Can't Stop!! -LOVING-」を、最後には初期のタイトルバックを流す、原点に帰るような演出があった。それに、番組終了直後には『アイドルマスターシンデレラガールズ』や『一本満足バー』など、個々人のCMが放送され、その翌々日には何事もなかったかのように『ナカイの窓』(日本テレビ系)がオンエアされている。日常にSMAPのメンバーがいることは変わらないまま続いているので、いつかは誰かが口を開いてくれるかもしれない。私もそうですが、ファンも確信に近い期待を抱きながら心のどこかで待ち続けている、そしてそのための環境をつくろうとしているのだと思います」

 今回の最終回について、メンバーの誰かが言及する日が来るのだろうか。今後の活動を見守りながら、静かにその時を待ちたい。

(編集部)

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