England PUNKは死んでいないーーDEATH SIDE ISHIYAのロンドン〜ブリストル現地レポート

 翌日はブリストルから車で1〜2時間ほどの街チェダーに行き、サイダー製造工場などを見学し、生サイダーを購入。チェダーのパブに寄りサイダーを堪能したが、本当に美味い。宿酔でひどかった筆者だが、このサイダーを呑んだ途端に治ったのには驚いた。

工場でつくったばかりの生サイダーを、テイスティングしてから買うことができる。持ち帰りのみだが、製造工場直販の生サイダーは格別。

 チェダーという街はチェダーチーズ発祥の地で、チーズ工場もあり、ショップにはありとあらゆる種類のチーズがあり、本場のサイダーとチェダーチーズを堪能した。

バンクシーの絵の前で、DEATH SIDEメンバーと、今回通訳で来てもらったSOUICHI(FORWARD/GISM)。

 行き帰りの道中では農場が広大な規模で広がり、CHAOS U.Kの代表曲であり名曲の「FARMYARD BOOGIE」の意味が理解できる。あの曲のあのままの光景を目の当りにし、30年以上を経てやっと「FARMYARD BOOGIE」が理解できた。

 サイダーが息づくブリストルハードコアを、やっと理解できたことは人生の宝となった。

 こんな夢のようなときを過ごせたことに非常に感謝するとともに、GABBAとブリストルのパンクスたちのフレンドシップには心の底から感動した。

 パンクスとして生きてきた人生の中でこれほど嬉しい日はない。

 今回のイギリス公演を企画し呼んでくれたSIMONとStatic Shock RecordsのTOMには心からの感謝を送る。

 そして、筆者のルーツを知るGABBAの粋な計らいは人生の素晴らしい思い出となった。

 England PUNKは死んでいない。

 次回訪れることができるならば、是非ブリストルでライブをやりたいと、心から願って止まない。

■ISHIYA
アンダーグラウンドシーンやカウンターカルチャーに精通し、バンド活動歴30年の経験を活かした執筆を寄稿。1987年よりBANDのツアーで日本国内を廻り続け、2004年以降はツアーの拠点を海外に移行し、アメリカ、オーストラリアツアーを行っている。今後は東南アジア、ヨーロッパでもツアー予定。音楽の他に映画、不動産も手がけるフリーライター。FORWARD VOCALIST ex.DEATH SIDE VOCALIST

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