きゃりーぱみゅぱみゅ『KPP 5iVE YEARS MONSTER WORLD TOUR 2016』レポート
きゃりーぱみゅぱみゅが見せた、ワールドクラスのエンターテインメント
きゃりーぱみゅぱみゅが、8月20日に日本武道館にて『KPP 5iVE YEARS MONSTER WORLD TOUR 2016』のツアーファイナルを迎えた。シンガポール、シドニー、メルボルン、ロンドン、サンフランシスコ、ニューヨーク、台北と5カ国7カ所を巡り、凱旋公演となった東京でのライブはワールドクラスのエンターテインメントを展開するものだった。
今回のツアーは、デビュー5周年アニバーサリーイヤーの一環として開催。5月25日にリリースしたベストアルバム『KPP BEST』収録曲「5iVE YEARS MONSTER」に合わせ、きゃりーが自由に踊りながらツアーを紹介するPRムービーも事前に公開されていた。ツアーテーマは「フラワーモンスター」。映像の中で、きゃりーはフラワーをイメージした新衣装を纏っており、会場のステージにも巨大なラフレシアが鎮座していた。
そのラフレシアの口が大きく開くと、オープニングナンバー「KPP ON STAGE」に乗せてツアーテーマ衣装を着たきゃりーが登場。ツアータイトル曲でもある「5iVE YEARS MONSTERS」をダンサー4人と共に披露し、盛大なライブのスタートを切った。「ワールドツアーでたくさんの国をまわってきたんですけど、残すところ今日の東京で本当の本当のツアーファイナルになります! みなさん是非楽しんでもらえたらいいなと思っています! ペンライトの色をイメージしたいろんな色の世界にみなさんを連れて行きたいなと思っています! 準備はいい!?」。きゃりーのグッズには赤、青、黄、緑、紫の5色に点灯するペンライトが存在する。昨年、筆者が東京国際フォーラム ホールAで観た『きゃりーぱみゅぱみゅ JAPAN HALL TOUR Crazy Part Night 2015』の際も、このペンライトを用いた演出が何曲かあったが、今回のツアーはきゃりーの衣装に合わせてペンライトを点灯させる、よりライブ演出をファンに委ねた趣向だ。オープニングでのきゃりーの衣装の色は「赤」。きゃりーが会場のファンにペンライトの点灯を呼びかけると、次に披露した「キミに100パーセント」、「CANDY CANDY」では会場が赤のペンライトの光に包まれた。
会場の雰囲気が一変し「青」に染まると、ステージ上には波をイメージしたクロスがたなびき、客席のアリーナにはクラゲを模した幾つもの傘が上下に浮遊。会場を大きく使った演出に気を取られていると、いつの間にかたくさんのダンサーがステージ上に集結し、舞台袖から衣装、髪色をブルーにチェンジしたきゃりーが神輿に担がれ登場した。登場までの演出は、まるで竜宮城に迷い込んだかのような錯覚に陥ると同時に、彼女が世界各国でたくさんの観客を驚かせてきたことを想像させた。そのまま、海外でも認知度の高い“忍者”をモチーフにした楽曲「にんじゃりばんばん」、「インベーダーインベーダー」「Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~」とキラーチューンを披露していった。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)のアトラクション「きゃりーぱみゅぱみゅXRライド」のテーマソングである「コスメティックコースター」に乗って登場したのは、傘を差し「ピンク」の幾何学模様の衣装を着たきゃりー。ハットを被り、傘を差し、たくさんのシャボン玉と共に舞うその情景は、まるでミュージカル映画『メリー・ポピンズ』を想起させ、改めてこの“ワールドツアー”が万人にむけて表現されているものであることを再認識した。きゃりーが初めて武道館でライブを開催したのは、デビュー1年目の2012年。その時のことについて、「妖精さんになって、ここに羽をつけて金の粉を撒きながら空を飛んだんです。今回は、何がいいかなと考えたんですけど、また空を飛びたいということで今回は違う形で空を飛んでみました!」と明かした。まだ一度もファンの前で歌ったことのない「KISEKAE」では、ペンライトの5色による“着せ替え”でファンとの一体感を生んだ。