ceroが提示する、音楽と音楽の間にある見えない“流れ” 主催イベント『Traffic』レポート

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 そして、メインステージのトリを飾ったceroは、「Yellow Magus(Obscure)」「Summer Soul」「Orphans」と、初っ端から『Obscure Ride』収録の人気曲を惜しみなく演奏していく。「Summer Soul」では、なんと突然OMSBが登場。アナログのみでのリリースで即完売となった12inchシングル「Summer Soul」に収録のOMSBによるRemixバージョンでのアレンジに乗せ、この日のために書いたというリリックを披露し、この日限りの特別なコラボに会場は沸いた。その後はVJとしてVIDEOTAPEMUSICも登場し、ステージ背後に映像の彩りも加えられる。

 

 

 MCでイベントについて高城は「すごく攻めてるし、何か見えてくる景色があるメンバーで、この切り込み方はceroにしか出来ないんじゃないかなと思って、達成感を感じています」と嬉しそうにコメント。ライブでの定番曲「Contemporary Tokyo Cruise」ではミラーボールも回り、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。アンコールではメロウな「FALLIN’」で締め、これで終わりかと思われたが、その後バーステージで行われていたMOODMANのDJブースにいきなり高城が現れ「ありがとうございました!『Traffic』、またやりましょう!」と今後の開催も示唆し、拍手の中イベントは幕を閉じた。

 

 こうして出演者を並べてみると一見何の共通点もないように思えるが、ここに“ceroのキュレーション”という視点を加えると、腑に落ちるものがある。イベントに先駆け公開された高城のコメント「音楽と音楽の間にある見えない“流れ”を色づけ、可視化してくれる彼ら(DJ)こそ『Traffic』そのものなのだと思います」や、前述のMCでの発言に見られるように、ceroは自らの敬愛するミュージシャン達をDJ的感覚で繋ぎ、そしてあえてイベントという手段を取り、自身のリスナーに直接提示したかったのだろう。そこでは、アクトはそれぞれ音楽的には別の方向に振り切れていながらも、どこかでceroとリンクするような要素があり、ceroから別の音楽への接続をリスナーに促しているように思えた。高城の言うところの「見えない“流れ”」とは、ここで可視化されたアクトとceroとの接続点と言えるかもしれない。それこそがceroが自らイベントを開催する意味だった。

 そしてこの日ceroは、今年11月から全国ツアー『MODERN STEPS TOUR』を開催することをアナウンスした。“Traffic”を経て、“Obscure Ride”から“MODERN STEPS”へ。様々な想像を掻き立てられる、意味深な単語の羅列だが、そこに込められた真意はcero本人達にしか語り得ない。

 『Traffic』は東京だけではなく、9月22日に大阪・味園ユニバースで開催することも決定している。関西圏のファンは見逃さないようにしたい。

(取材・文=渡邊魁/写真=廣田達也)

■ツアー情報
『MODERN STEPS TOUR』
11月3日(祝・木)宮城 仙台Darwin
11月4日(金)岩手 盛岡change WAVE
11月6日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
11月17日(木)京都 京都磔磔
11月23日(祝・水)石川 金沢AZ
11月25日(金)福岡 福岡BEAT STATION
11月27日(日)広島 CLUB QUATTRO
12月2日(金)東京 新木場スタジオコースト
12月9日(金)愛知 名古屋ダイアモンドホール
12月11日(日)大阪 なんばHATCH

オフィシャルHPチケット2次先行(抽選制)
URL : https://l-tike.com/st1/ceromodernsteps2(抽選制)
抽選受付日程:9月1日(木)18:00~9月11日(日)23:59
当落確認&チケット代金入金期間:9月13日(火)15:00~9月18日(日)23:00
チケット引き取り開始:10月8日(土)12:00~
枚数制限:お一人様2枚まで

■関連サイト
cero オフィシャルホームページ
カクバリズム

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