Awesome City Clubは“特別なバンド”になり得るか? リキッドワンマンで見せた変化と可能性

ACCは“特別”なバンドになり得るか?

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モリシー(Gt./Syn.)。

 この日、『Awesome City Tracks3』からの楽曲はすべて披露されたが、「Vampire」のほかに目を引いたのは「エンドロール」と、アンコールで演奏した「Around The World」。前者はatagiが一番最初のデモ段階で「ACCがエイフェックス・ツインの曲をやったらどうなるか」を追い求め、結果として打ち込みを主体としながらも、PORINのボーカルによる、音数の少ないバラードになった楽曲だ。ACCは同曲をあくまでギターと鍵盤を主体としたバンドサウンドで再現し、音源とは違った魅力で楽曲の切なさを表現してみせた。

 後者の「Around The World」は、アルバムのラストナンバーであり、バンドがこれからも邁進していくことを決意表明として歌い上げた楽曲。同曲の披露前、atagiは観客に向かって、このように語りかけた。

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atagi(Vo./Gt.)

「ここに来ているみんなは、普段色々音楽を聴いていると思います。先輩バンド、大御所の人たちはカッコいいと思うけど、それでも僕らは今日来てくれた人にとっての一番を目指したい」

 atagiによるこのMCは、バンドの支持層が広い意味で「音楽好き」であると捉えたうえで、その人たちのパーソナルな音楽になりたいと願ったものである。このことについてはPORINもかつて「まだACCって、『Awesome City Clubじゃないと嫌だ!』みたいなファンの方が少ないと思うんです。どちらかといえばシーンの中でほかのバンドとまとめて聴いてくれている方が多いというか」と当サイトのインタビューで語っていた(参考:Awesome City Clubが考える“良い音楽”の定義とは? 「追求するなら、もっと真ん中に行かなければ」)。

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 人生に大きく影響を与えたり、印象に残った瞬間のBGMになっていないかぎり、聴き手にとっての“特別”になることは難しいのかもしれない。だが、バンドとしての素を曝け出し、フィジカル面での強さを手に入れた今のACCなら、多くの人にとっての一番になれるのではないか。モリシーが2014年の『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演したArcade Fireに感銘を受け、atagiとともに作り上げたラストナンバー「GOLD」での盛り上がりを見たとき、そのような可能性を強く感じたのだった。

(取材・文=中村拓海/写真=古渓一道)

■ライブ情報
『Awesome Talks -Vol.5』
日時:2016年11月17日(木)
場所:大阪府 umeda AKASO
<出演者>
Awesome City Club / and more

『Awesome Talks -Vol.6』
日時:2016年11月24日(木)
場所:東京都 TSUTAYA O-EAST
<出演者>
Awesome City Club / and more

■リリース情報
3rd ALBUM『Awesome City Tracks 3』
発売:6月22日(水)
価格:¥2,000+税
1.Into The Sound
(作詞/作曲:atagi Sound Produced by Awesome City Club)
2.Don’t Think, Feel
(作詞:いしわたり淳治/マツザカタクミ 作曲:atagi Sound Produced by Shingo Suzuki)
3.Vampire
(作詞:PORIN/高橋久美子 作曲:atagi Sound Produced by mabanua)
4.Moonlight
(作詞/作曲:atagi Sound Produced by Awesome City Club)
5.ネオンチェイサー
(作詞:Leo Imai 作曲:atagi Sound Produced by Awesome City Club)
6.エンドロール
(作詞:PORIN/高橋久美子 作曲:atagi Sound Produced by Awesome City Club)
7.Around The World
(作詞:atagi 作曲:atagi/モリシー Sound Produced by Awesome City Club)

Awesome City Clubオフィシャルサイト

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