嵐 二宮和也はなぜ人々を魅了する? “無邪気な少年”は“繊細な表現者”へ

 嵐の二宮和也は、共演者から好かれることで有名だ。ドラマや映画、バラエティ番組での共演者が男女問わず次々と二宮に惚れ込んでいく。抜群のスタイルでもなければ、圧倒的なカリスマ性があるわけでもない。しかし一度共演した者は、口を揃えて二宮を高く評価するのである。

(C)タナカケンイチ

 俳優界では昨年、映画『母と暮せば』で監督を務めた山田洋次、親子役で共演した吉永小百合らが二宮を評価したことが記憶に新しい。特に吉永は日刊スポーツ(2015年12月17日)の取材で二宮の演技について「天才」と評し、「本当に礼儀正しいし、爽やか。ビックリしました。こんな青年がいたらいいなあと思うような人。(休憩時には)けん玉で遊んだり、ひょうきんで、みんなを和ませるんです」と明かしていた。

 バラエティ界でも、その礼儀正しさはお墨付き。共演者には必ず丁寧に挨拶をするというエピソードは、お笑い芸人をはじめ、様々な共演者たちにより多く語られてきた。ただしこれは、二宮に限らず嵐のメンバー全員に共通することでもある。しかし、二宮は自分が参加していない嵐のロケに出演した共演者に対してもお礼を言うほどの徹底ぶり。そのような姿勢こそが二宮が共演者たちから尊敬され、愛される要因なのだ。

 俳優、タレント活動への評価とともに、二宮の音楽人としてのセンスについても評価の声を聞く。嵐には各メンバーのソロ曲が存在するが、二宮は自身のソロ曲の作詞や作曲を多く手がけているのだ。そして、二宮の曲は恋愛や家族をテーマにしたものがほとんど。好意を寄せる相手への素直な思いや、恋人同士の日常を表現するリアルな描写には説得力があり、感情移入するリスナーも多い。女性目線で言葉が紡がれた「虹」はファンの間でも人気の高い一曲で、コンサートではピアノで弾き語りを披露することも。二宮の歌声には温かさと切なさがあり、シンプルな伴奏でこそ魅力が伝わってくる。二宮自身が手がけるソロ曲には、彼の繊細な人柄がよく表れている。

 日頃のバラエティ番組では、ゲームが好きでインドアな一面や、メンバーにいたずらを仕掛けたり、いち早く共演者のボケにツッコミを入れる姿をよく見かける。そんな無邪気で少年のような表情を持ち合わせながらも、二宮は年齢とともに内面やスキルに磨きをかけた魅力的な男性として存在する。演技の才覚があり、礼儀正しく、感性豊か。そのようなポテンシャルが多くの人々を魅了するのだろう。

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