1stフルアルバム『BLOOMING』インタビュー
The Winking Owl、バンドの個性を生み出すものとは?「Luizaが歌うことでサウンドが完成する」
「進化していく過程を描いているのかな」(Luiza)
──いよいよメジャー1stフルアルバム『BLOOMING』がリリースされます。このアルバムを作るにあたって、皆さんの中で事前に思い描いていたものはありましたか?
Luiza:作る前には特にテーマとか考えず、とにかくガムシャラに曲作りをして、そこからどれがいいのかをみんなで吟味した感じです。でも、曲がほぼ揃ったときに「そうか、こういうことを伝えたかったのか」と後から気づくことがあって。私は作詞を担当してるんですけど、自分が書いた歌詞を読んだときに「探す」というワードがよく出てくることに気づいたんです。ちょうどその頃、私は「The Winking Owlってどういうバンドなんだろう?」っていうことが自分の中ではっきりと表現できていなくて、周りから質問されてもしっかり伝えられてなかったんです。でも、その「探す」というワードに気づいてから、「The Winking Owlはインディーズからメジャーに上がって進化している途中なんだ、どんなバンドなのかを模索している途中なんだ」と解釈できるようになって。だからこの『BLOOMING』という作品は進化していく過程を描いているのかなと、個人的には思いました。
Yoma:サウンド面ではこうしようということは考えてなくて、今の自分たちにできる最高のものにしたいなということを思ってたぐらいで。メジャーデビュー作の『Open Up My Heart』は3曲のみだったので、サウンドのバリエーションをもっと出せたらいいなと考えながら曲作りをしました。
──メジャーでの名刺代わりになる1枚にしようと。
Yoma:まさにその通りです。
──Ranmaluさんには、今回のアルバムはどう映りますか?
Ranmalu:曲を作ってるのはYomaさんとLuizaさんなんですけど、一番近くでその姿を見ている第三者としては1曲1曲がよりタフになったと感じていて。ストレートな曲はひたすらストレートで、音の塊が猛スピードで飛んでくるような印象がある。あとThe Winking Owlの曲ってメロディはキャッチーだけど、その裏で楽器隊が難しいことをやってたりして、そういうところがバンドの味になってると思うんです。今回はそれがさらに強調されてるし、以前よりも進化してる印象を受けました。
──KenTさんにとっては、バンドに加入して初のアルバムにあたりますよね。
KenT:はい。レコーディングのときは、僕が楽曲に寄り添ったり僕の色を出したりすることで全体のクオリティを上げられたらなと。そんなクオリティの高い作品を作って、The Winking Owlのことを知らない人にも届けるお手伝いじゃないけど、そういう意識はレコーディング中ずっとありました。これは後で聞いた話なんですけど、レコーディングエンジニアの方やドラムテックの方たちのテーマとしては「2016年ナンバー1の音を作るぞ」というテーマがあったらしくて。このアルバムをいろんなミュージシャンが聴いて「やっぱりCDってこうじゃなくちゃいけないんだな」と思うような作品にしたいと言っていたんです。事実その方たちが言うように抜群に音はいいので、そこも自信を持ってオススメできるポイントですね。
「自分たちは『自ら花開く力』を持っている」(Luiza)
──『BLOOMING』というアルバムタイトルには、どういう思いが込められているんでしょうか?
Luiza:最初は「進化していく過程を描いている」というところから「Evolution」というタイトルを考えたんですけど、ありきたりだしちょっと違うかなと。そこから「進化」に関連する単語を探していたときに「Bloom(開花)」という言葉に気づいて。「進化」には前に突き進んでいる印象があるんですけど、「開花」だと自ら花開いているところがいいなと思っていて、自分たちはそういう「自ら花開く力」を持っているというところにつながるなと思ったんです。そこに「Bloom」という動詞や名詞で終わるのではなく、今もその過程だという意味で進行形の「〜ing」を付けて、いつまでも開花し続けていくんだという意思を示しました。ここから先に進むという意味においては、ピッタリなタイトルかなと思ってます。
──なるほど。アルバムには「Bloom」という楽曲も収録されていますが、これはアルバムタイトルが決まってから作った曲なんですか?
Luiza:「Bloom」の原曲はその時点からあって、まだ歌詞もないしタイトルも決まってなかったんです。でもアルバムタイトルが決まったときに、私のルーツ……10代の頃に一度挫折したことをテーマに歌詞を書こうと決めて。今思うと、あの経験がなかったら自分はThe Winking Owlというバンドで活動していなかったかもしれない。挫折はしたけどそこで終わりではなくて、次につながるステップを自分で掴めた、ここで開花したんだと。そこがアルバムタイトルにリンクしていると思って、楽曲のほうには「Bloom」というタイトルを付けたんです。
──アルバム発売直後には、バンド史上最長となる全国ツアー『BLOOMING TOUR 2016』も控えてますね。
Yoma:音源は本当にすごいものができたと確信しているので、その魅力をしっかりライブで伝えられるように頑張りたいですし、最終的にはメジャーに行く前に立った大阪城ホールや幕張メッセのような大きなステージに、今度は自分たちの力で立てるようになりたいと思います。
(取材・文=西廣智一)
■リリース情報
The Winking Owl
1st Full Album『BLOOMING』
発売:2016年5月11日(水)
価格:¥2,500+tax
<収録曲>
1.Open Up My Heart
2.This Is How We Riot
3.Bloom
4.Empty In The Crowd
5.Lust
6.Don’t Kill My Melody
7.Here For You
8.Sparkle Light
9.Walk
10.Broken
11.Your World
12.Silver Linings
■ツアー情報
『BLOOMING TOUR 2016』
5月17日(火)京都 MUSE
5月18日(水)兵庫・神戸 太陽と虎
5月20日(金)福岡・小倉 WOW!
5月21日(土)福岡 Queblick
5月22日(日)長崎 Studio DO!
5月24日(火)広島 CAVE-BE
5月25日(水)岡山 IMAGE
5月26日(木)高松 DIME
5月30日(月)宮城・仙台 MACANA
6月1日(水)北海道・札幌 DUCE
6月3日(金)新潟 RIVERST
6月6日(月)富山 SOUL POWER
6月7日(火)金沢 vanvan V4
6月9日(木)大阪 Shangri-La
6月10日(金)愛知・名古屋 ell.FITS ALL
6月17日(金)東京・渋谷 TSUTAYA O-WEST
TOUR FINAL
6月26日(日)群馬 高崎clubFLEEZ
■ライブ情報
5月29日(日)さいたまスーパーアリーナ
『百万石音楽祭 2016〜ミリオンロックフェスティバル〜』
6月5日(日)石川県産業展示館1〜4号館