『ハルジオンが咲く頃』リリース記念企画第二弾 深川麻衣卒業記念ロングインタビュー

乃木坂46深川麻衣が語り尽くす、旅立ちの決意「卒業は寂しいけど、悲しいことではない」

 

「4年前の話は、今も話していて泣きそうなんです」

──ここからは乃木坂46に入ってからの深川さんの4年半を振り返りつつ、卒業について話を伺っていきたいと思います。深川さんは芸能の仕事をしてみたいと思って乃木坂46のオーディションを受けたわけですよね。でも特にアイドルを目指していたわけではなかったんですよね?

深川:そうです。自分がアイドルになるとは考えたことなかったです(笑)。そもそもアイドル自体に対する世間のイメージも私のイメージも、やっぱり10代とか中高生の女の子で、キャピキャピでキラキラした印象があったので。私みたいに20歳でアイドルになるのって結構珍しいタイプかなと思うんです。

──でもそこでアイドルとしての活動を始めたことで、自分が思い描いていた芸能界の道とはまた違ったところへ進んでいったわけじゃないですか。そういう部分で葛藤することはありませんでしたか?

深川:オーディションから4年半経って、それこそ生駒(里奈)ちゃんとかが20歳になって「ああ、私が乃木坂46に入ったときの年だ」と気づかされるんです。みんなは10代のときからすごい頑張ってきたんだなって。そんな子たちと一緒だったわけですから最初は焦りもあって、早く結果を出さなきゃ後がないと思ってたんです。でも最初は選抜に入れない期間が続いて、それが自分にとって情けなくて、悔しい気持ちが強くて。どうにかしたいけど何をどう頑張ったらいいかもわからなくて、っていう時期が一番苦しかったです。

──みんな横並びでスタートして一緒に進んでいたはずなのに、突然選抜/アンダーと線を引かれたわけですもんね。

深川:そうなんです。めっちゃショックでした。こういう取材でこの話をするとき、過去に泣いてしまったことがあったし、今も話していて泣きそうなんですよ(笑)。ってことは、4年も経ってるのに自分にとって相当つらかったんだなって。

──確かに昨年、深川さんと衛藤美彩さんにインタビューした際、その頃の話を重点的に伺いましたが、衛藤さん含め2人ともすごくどんよりした空気を出してましたもんね。

深川:ふふふ。ごめんなさい!(笑)

──いえいえ。それだけ強い記憶として残ってるってことですし。でもCDデビューから半年でようやく「走れ!Bicycle」で初選抜入りを果たす。いろんな活動が増えていく中で、自分の中でこういうお仕事をしてみたいというのもだんだんと見えてきたのかなと思いますが?

深川:声を使ったお仕事とか何かを読み上げたりするのが好きだったので、ナレーションのお仕事(2014年10月から放送された『ACミラン・チャンネル ミラノミラン』でナレーターを担当)を経験できたことはひとつ夢が叶ったなと思いました。あとは『16人のプリンシパル』、特に2回目(2013年の『16人のプリンシパル deux』)と3回目(2014年の『16人のプリンシパル trois』)を通じて演技のお仕事をもっとしてみたいと思いましたし。私は乃木坂以外の舞台は経験できなかったので、そこはちょっとやってみたかったなっていうのはあります。他のメンバーが出ていた『じょしらく』や『すべての犬は天国へ行く』も観にいかせてもらったんですけど、すごく刺激をもらいましたし、みんなが乃木坂を出て他の役者さんがいるところで頑張っているという環境が、羨ましくもありカッコ良くもありました。

──そういえば以前にお話を伺ったときに、時代劇に興味があると言ってましたよね。

深川:はい、そうなんです! 時代劇はやってみたかったですね。さっきも言いましたけど、そういう和装の世界観が好きなので。でも「月の大きさ」(7thシングル『バレッタ』カップリング曲)のMVでちょっとだけ、そういう世界観に浸れたのはすごくうれしかったです。

「紅白に出られなかったとしても気持ちは変わらなかった」

 

──そんな将来の夢も見え始めた中で、ちょうど1年ぐらい前に卒業を意識し始めたとブログに書いていましたが、何か具体的なきっかけはあったんですか?

深川:誰かに何かを言われたとかこういうきっかけがあったとか、そういうわけではなかったんですけど、やっぱりバースデーライブというものがすごく大きくて。1年に1回しかないイベントごとになってくると、それにあと何回出られるのかなと考えたり、そういうことを意識することが自然と多くなるんです。しかも、そういう自分の中にある感情のタイミングと今年の3月で25歳になるというキリの良さと、いろいろなことを考えたときに本当に「そろそろかな?」と直感で決めたんです。

──もし13枚目(のシングル『今、話したい誰かがいる』)の活動後に卒業していたら、ちょうど紅白にも出場できたし、キリがいいから辞めたと周りから思われてしまう可能性もありましたし。

深川:そこに関しては結果的に出場できたから良かったんですけど。確かに「出場できたから卒業するんじゃないか」と言うファンの方もいましたが、そこはまったく関係なくて。出られなかったとしても気持ちは変わらなかったけど、幸運にも昨年はメンバー全員で出られたので、そこにおいては悔いがなくなって良かったなと思いました。

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