SMAPは平成日本の象徴だった 太田省一が「解散危機報道」への反響を読む

 また、人々が彼らを支える要因のひとつに、SMAPが大災害などの際に見せた活動姿勢がある、と太田氏は続ける。

「私たちにとってエンターテインメントは、いまやより生活に密着したものになっていると思います。SMAPも、1995年に起こった阪神・淡路大震災で被災した人たちを元気づけるために『ミュージックステーション』で『がんばりましょう』を歌い、東日本大震災が起こった2011年には『SMAP×SMAP』の生放送で被災者へのメッセージを送り、その年の『紅白』で大トリとして『not alone ~幸せになろうよ~』と『オリジナル スマイル』を披露しました。その姿は、エンターテインメントが担っている現在の社会的役割を端的に示したものだったと思います。」

 SMAPの影響力がきわめて大きいことが改めて証明された今回の騒動。「ファンの方が大きく騒ぎ立てることもなく、メンバーからの直接の言葉を待ちながら自分たちで考えた支援の行動を自発的に起こしている姿に驚きました。長きにわたってそのキャリアを支えてきたからこその成熟した信頼関係が成り立っていることに感動しましたね」(太田氏)。グループ存続を願うファンの声が届くかどうか、事態の推移を引き続き追っていきたい。

(文=向原康太)

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