cinema staff、初のホールワンマン アグレッシブさと歌心あるパフォーマンスの融合を見せる
アンコールではライブやレコーディングでcinema staffとの共演経験を持つチェリスト、高橋淳子と「望郷」「溶けない氷」の2曲を演奏。ヒリヒリした音像の中に優雅なチェロの音色が加わることで曲の色気が増し、cinema staffの4人も歌や演奏の熱量を高めていく。特に「溶けない氷」のエンディングではカオスと優雅さが混ざり合い、混沌とした空気に。ステージに寝転がりながらギターを弾きまくる辻がそのまま客席に転がり落ちるハプニングもあったが、その後もフロアで激しいギターサウンドを響かせ観客を多いに喜ばせた。
二度目のアンコールでは三島が「今年はアルバム1枚、EP2枚の3作品を継続的に出せることが嬉しかったし、今日も平日のワンマンライブなのにこれだけの人が集まってくれた。今年は誰かに支えられた1年だった」と神妙な面持ちで語る。そして「2016年は今年得たもの、経験、自分たちが何をしたいか、何を続けたいかを示したい」と来年への決意を新たにし、「ラストは4人だけで。だいぶ古い曲ですけど、魂が入る曲です」と「GATE」を全身全霊でプレイ。久野が叩き出す力強いビートに、飯田は心に響く熱い歌声を乗せる。それに呼応するかのように、辻と三島はギターやベースを弾きつつも激しいアクションで感情の高まりを表現。曲後半では観客との大合唱も沸き起こり、cinema staffの4人は集まった観客とともにここに生きた証を刻むかのような演奏で2時間半におよぶライブを終えた。
ライブのエンディングではSEに乗せてエンドロールがスクリーンに映し出される。まるで1つの映画を観た後のような余韻に浸っていると、最後の最後にワンマンライブ「waypoint」の追加公演が来年2月25日に赤坂BLITZで開催されることがサプライズ発表。その後に映し出された「our story still continues.」のメッセージどおり、彼らの快進撃は2016年も続きそうだ。
(文=西廣智一)
■セットリスト
cinema staff『waypoint 2015』
M1. salvage me
M2. AIMAI VISION
M3. theme of us
M4. ニトロ
M5. 奇跡
M6. 火傷
M7. 世紀の発見
M8. 小さな食卓
M9. 実験室
M10. 君になりたい
M11. unsung
M12. 発端
M13. いらないもの
M14. 切り札
M15. deadman
M16. シャドウ
M17. great escape (alternate ver.)
M18. exp
M19. KARAKURI in the skywalkers
M20. YOUR SONG
<アンコール>
EN1. 望郷
EN2. 溶けない氷
<ダブルアンコール>
EN3. GATE