2ndミニアルバム『トランス状態』インタビュー

sympathyが秘めるナチュラルな魅力とは? 「4人で気持ちを分かち合いながら音楽をやっている」

 

 出会いは地元・高知の高校の軽音楽部。RADWIMPS、SCANDALのカバー曲で参加した初ライブのコンテストでいきなり優勝し、オリジナル曲を作りつつライブ活動をスタート。高校卒業後に発表した1stミニアルバム『カーテンコールの街』で注目を集め、この夏、2ndミニアルバム『トランス状態』をビクターの新レーベル“CONNECTONE”からリリース……何だか素敵すぎるストーリーだが、この女の子4人組には音楽ファンを惹きつけるナチュラルな魅力が確かに備わっているようだ。

 まずは本作『トランス状態』の「女子高生やめたい」と「さよなら王子様」を聴いてみてほしい。無意識のオルタナ感覚とでも呼ぶべきバンドアンサンブル、フックの効いたメロディ、そして、揺れる感情をキュートに描いたリリック。sympathyという名前が示す通り、このバンドの音楽からは、年齢・性別を超えた共感を呼び起こす不思議な力が伝わってくるのだ。

 今回はボーカルの柴田ゆう、ギタリストの田口かやなにインタビュー。バンドの成り立ちと本作「トランス状態」の制作、バンドの将来像などについて聞いた。ふんわりと柔らかく、でも、ときどきビシッと鋭いコメントを交えるふたりの雰囲気を含めて楽しんでほしい。(森朋之)

「『あの娘のプラネタリウム』ができたときは『やっと終わったー!』っていう感じだった」(柴田)

ーー2ndミニアルバム『トランス状態』、とても魅力的でした。

柴田・田口:ありがとうございます。

ーー個人的には90年代後半あたりのオルタナ感が自然に入っているのがツボだったんですが…。

柴田・田口:……。

ーーって言われても困りますよね。

柴田・田口:ハハハハハ!

ーー(笑)まず、どんなふうにバンドが結成されたのか教えてもらえますか?

柴田:えーと、高校の部活が軽音部だったんです。田口はドラムの子(門舛ともか)、私はベースの子(今井なつき)といっしょだったから、この4人でバンドを組もうかってことになって。最初はRADWIMPSとかSCANDALのコピーをやりました。

ーーRADWIMPSの曲、難しくなかった?

田口:1曲、「がんばったらできそうだな」っていう曲があって。

柴田:「セプテンバーさん」なんですけど、コードとかリードギターとかも「練習しやすいかもよ」って友達や先輩に言われて。それとSCANDALの「少女S」ですね。

ーーオリジナル曲はいつくらいから作ってたんですか?

田口:高校1年生の終わりの時期に、初めて出たライブで賞をもらったのがきっかけですね。

柴田:OSMという音楽学校が主宰する大会みたいなのがあって、私たちは四国からエントリーしたんですけど、さっき言った2曲(「セプテンバーさん」「少女S」)で参加したら、たまたま優勝しちゃって。

田口:その特典としてオムニバスCDに参加できることになって、そのためにオリジナル曲が必要で…。

ーー作らないといけない状況になった、と。

田口:そうです(笑)。

柴田:追い込まれてましたね〜。「やらなきゃ終わらない!」みたいな感じで。

ーー宿題ですね(笑)。

柴田:ホントに宿題でした(笑)。そのとき作ったのが、今回のミニアルバムにも入っている「あの娘のプラネタリウム」なんですよ。まず、みんなで歌詞を考えて、それを曲にしていって。

田口:初めてだったから、どう書いていいかもわからなかったんですよね。ビジョンみたいなものもなく、みんなで思い付くことをどんどん言い合って…。だから、こんなに空想的な曲になったのかも。

柴田:楽しそうな曲ですよね。

ーー追い込まれながら作ったとは思えないですね(笑)。その後もオリジナル曲は作り続けたんですか?

柴田:「あの娘のプラネタリウム」ができたときは「やっと終わったー!」っていう感じだったんですけど、地元のライブハウスの方から「オリジナル曲だけでライブやってみない」って声をかけてもらって、1週間で4曲くらい作ったんですよ。2曲目以降は私か田口がおおまかな歌詞やメロディの流れを考えて、それをもとにしてベース、ドラムを付けていくことが多いですね。あとは門舛か今井が歌詞を持ってきて、それをイジりながら曲にしていくこともあります。

——高校を卒業した年の夏に1stミニアルバム『カーテンコールの街』をリリースしていますが、バンドでがんばろうと決意したのはいつ頃なんですか?

柴田:けっこう最近ですね。

田口:デビューとか契約の話をいただいてからだと思います。

柴田:それまではまったく考えてなかったので。「バンドをやっていこう」っていう漠然とした気持ちはありましたけど、何か(具体的な行動を)していたわけではないんですよ。CDをどこかに送るとか、ライブを月に何本やるとか、そういうこともぜんぜんやってないし。だから、いまの状況はビックリですね。ホントに恵まれてるなって思います。

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