AKB48の新曲「ハロウィン・ナイト」は「恋チュン」を超えるか? 指原莉乃センター2曲のサウンドを比較

 AKB48が8月26日に41thシングル『ハロウィン・ナイト』をリリースする。

 同作の表題曲では、6月6日に開催された『AKB48 41stシングル選抜総選挙』で、再び1位に返り咲いた指原莉乃(HKT48)がセンターを務めている。振り付けも以前に指原がセンターを務め、大ヒット曲となった「恋するフォーチュンクッキー」と同じパパイヤ鈴木氏を起用していることから、同曲を強く意識していることが伺える。

 「ハロウィン・ナイト」自体は、7月4日に放送された『THE MUSIC DAY 音楽は太陽だ。』(日本テレビ系)で初披露されたが、曲調に「恋するフォーチュンクッキー」のような明るさはなく、ダークなディスコ歌謡風に仕上がっている。「恋するフォーチュンクッキー」を強く意識していたリスナーからは賛否両論の声が挙がっているが、「ハロウィン・ナイト」の音楽的な仕掛けとは何なのだろうか? 当サイトで楽曲分析記事を執筆しているトレモロイドの小林郁太氏は以下のように語った。

 「『恋するフォーチュンクッキー』は、50年代のアメリカ音楽に多く用いられている『ドン、タン、ドドタン』というリズム進行に、70年代のソウルっぽさを加えた楽曲ですが、『ハロウィン・ナイト』は田原俊彦や近藤真彦などの楽曲を思わせる、日本の80年代ディスコ歌謡を踏襲した一曲です。また、『ハロウィン・ナイト』のダークな雰囲気は、短調ではないですがマイナーコードを多用しており、歌メロの印象が強い『恋するフォーチュンクッキー』に対し、メロディを削ぎ落としてリズムを強調している楽曲といえるでしょう」

 続いて同氏は「ハロウィン・ナイト」と「恋するフォーチュンクッキー」において共に用いられている“ヒットの仕掛け”についてこう述べる。

「80年代の歌謡曲は、演歌や民謡を踏まえたような、日本人にとっては親しみやすい“短調で合いの手や手拍子を入れやすいリズム構造”のものが多く、『ハロウィン・ナイト』も2小節ごとにリズムのブレイクポイントを用意しています。これは『恋するフォーチュンクッキー』も同じで、楽曲全体が歌メロの流れに合わせて4拍目をスネアとベースで落とす構成になっており、1小節ごとに完結しながら同一のリズムパターンで進んでいく。つまりメロディラインこそ違えど、『ハロウィン・ナイト』も『恋するフォーチュンクッキー』と同じ『みんなで踊りやすい』という機能をしっかり搭載していることがわかります」

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