山崎まさよしが改めて示した歌唱力 弦楽四重奏ライブの豊かさに迫る

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 「20周年ということで、今回はこういう贅沢な内容で。日頃3人で回ってるところを、あと2人加わってますから」というMCで観客を笑わせた後、映画『春を背負って』の主題歌「心の手紙」と1997年のヒット曲「One more time, One more chance」をピアノの弾き語りで披露し、第一部は終了。第2部のオープニングでは服部氏がサプライズ登場し、「今日、声出てるよね」(服部)「そう……ですか?(笑)」(山崎)と気の置けないトークを展開。デビュー10周年を記念して行われた全国ツアー「YAMAZAKI MASAYOSHI 10th Anniversary LIVE [ARENA 2005]」にも、総勢24名のフルオーケストラを率いて参加した服部氏。MCのなかでも「隆之さんの書かれるストリングスは、それ自体が作品。聴いているだけで、こちらの想像力が掻き立てられる」と語っていたが、山崎まさよしとストリングスとの音楽的なつながりは、年齢を超えた友情と言うべき両者の信頼関係によって支えられていることが改めて感じられた。

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 最新アルバムのタイトル曲「Flowers」からは、持ち前の高揚感あふれるパフォーマンスへと突入。パンディロの音をループさせてリズムを作り、ファンキーなギターカッティングが響き渡ると、観客も一斉に立ち上がり、思い思いに体を揺らし始める。「ドミノ」「Fat Mama」ではカルテットのメンバーも立ち上がって演奏するなど、伝統的あるクラシックホールと思えないほどの熱気に包まれた。

 アンコールでは代表曲「セロリ」「お家へ帰ろう」などを披露、観客のコーラスに参加するなど客席とステージの一体感を演出。ブルース、フォーク、歌謡曲などをルーツに持つ楽曲、山崎の芳醇なボーカル、そして、クラシカルなストリングスがごく自然に結びついた、実りの多いコンサートだったと思う。

(文=森朋之/写真=岩佐篤樹)

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