Alfred Beach Sandalと王舟が2マンライブで披露した、鮮烈なバンドアンサンブル

 

 中盤ではABSの曲には珍しいロカビリーテイストの新曲を披露。光永の細やかなハイハット捌きや、岩見が巨体を振り回しつつも安定した演奏を繰り広げるなど、サポート2人が楽しそうにしている姿が印象的だった。終盤はセッション要素の強い「Typhoon Sketch」と、最新EPの表題曲「Honeymoon」を立て続けに披露し、ABSは一度ステージを去った。

 アンコールでは、岩見と光永が「ホント王舟王舟ばっか言ってるよね」(光永)「今日来たときとかほとんど一緒の格好してたもんね」(岩見)と北里をイジり倒したあと、『Honeymoon』収録曲であり、NOKKOのカバー「人魚」を披露。ロバート・グラスパーなどの現代ジャズを取り入れてアレンジしたという同曲は、北里の透き通った歌声が前面に出つつ、細やかに動くテクニカルなリズムセクションがライブだとより際立っていた。

 そして最後に演奏された曲は、彼の代表曲といっても過言ではない「モノポリー」。オルタナティブなギターサウンドに乗せて<夏休みなのにモノポリーばっか>というパンチの効いたワンフレーズが、鬱屈な状況でも飄々としている北里本人を表しているかのようだった。

 

 6年間に及ぶ2人の交流と、それぞれのバンドアンサンブルの充実が見て取れた今回のツアー初日。なお、同ツアーはこのあとも5月16日に大阪・梅田Shangri-La、17日に名古屋・今池TOKUZOでそれぞれ実施される予定となっている。

(文=中村拓海/写真=山川哲矢)

■セットリスト
・王舟

1.前半
(笑うだけ(RATN) ~ Songbird(OASIS) ~ 虹(電気グルーヴ) ~ guitar A)
2.tatebue
3.ill communication
4.new song
5.とうもろこし畑
6.boat
7.uguisu
8.500 miles
9.ward
10.ディスコブラジル
11.Thailand
12.瞬間

・Alfred Beach Sandal

1.Coke, Summertime
2.Dynamo Cycle
3.Night Bazaar
4.Rainbow
5.殺し屋たち
6.ビールの王冠
7.新曲
8.新曲
9.Typhoon Sketch
10.Honeymoon
en1.人魚
en.2モノポリー

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