カラオケ上半期ランキング2位 ボカロ発「千本桜」がスタンダードになった理由とは?
「ボーカロイドシーンにおいてN次創作は一般的ですが、まらしぃや和楽器バンド、小林幸子がカバーしていることなどからも分かるように、この曲には『歌ってみた』『演奏してみた』といった、プロによる創作の派生が非常に多いんです。商業的な展開も多い。曲が公開されたのは3年前ですが、昨年だけでも小説化やミュージカル化がされるなどしており、現在になっても徐々にファンを増やしつつある要因となっているようです」
さらに、楽曲面でも多くの日本人に親しみやすい特徴があると同氏は続ける。
「『千本桜』のメロディには演歌に近いものを感じます。マイナーペンタトニックスケールのメロディを効果的に活用し、聴き手に和のテイストを感じさせる楽曲に仕上がっているんですね。そのうえアップテンポかつキャッチーで覚えやすいので、多くの日本人にとって親しみを感じやすいのではないでしょうか。小林幸子や和楽器バンドによるカバーがハマっていると感じられるのもそこが大きいですね」
シーンの垣根を越えて様々なリスナーの間でブレイクしている「千本桜」。今後、同曲が文化としてどのような広がりを見せるのか、楽しみにしたい。
(文=編集部)