W杯開幕直前! 各種公式ソングや応援歌を比較してみた
一方、日本はというと、これまた多くのW杯がらみの楽曲がリリースされている。まず話題となったのが、全64試合のうち32試合を地上波で放送するNHKのテーマソング。手がけたのは椎名林檎で、タイトルも『NIPPON』とド直球だ。また、Mr.Childrenの桜井和寿とGAKU-MCのユニット「ウカスカジー」による『勝利の笑みを 君と』にも注目が集まっている。こちらは日本代表への応援ソングということで、すでに各所でヘビロテ中。もともとサッカーが縁でユニットを組んだふたりだけに、今大会、ひいては日本代表への思い入れの強さも感じ取れる。
加えて、中島美嘉と加藤ミリヤという女性歌手ふたりがコラボした『Fighter (Tachytelic World Cup Brazil 2014 Remix)』は、2014 FIFAワールドカップ公式アルバムアジア代表ソングに決定。開催期間中は日本という枠を超えてアジア全土でこの楽曲が鳴り響くかと思うと胸熱だ。
また、公式なものではないものの、自国代表へ向けた応援ソングを、ミュージシャンが独自に発表するパターンも多い。前大会では、Weezerがアメリカ代表のために『Represent! 』をリリース。イギリスでも、ラッパーのデイジー・ラスカルとTVタレント・プロデューサーのジェイムズ・コーデンによる即席ユニット、Shout for Englandの『Shout』がチャートを大いに賑わせた。これらの楽曲は、会期直後などギリギリで発表されることも多いので、今後の動向に期待が高まる。
こうしてみても、ワールドカップでは1度の大会に際し、数多くの楽曲が生み出されている。これは、オリンピック含め、ほかのスポーツでは見られないこと。サッカー及びワールドカップというお祭りがもたらす独特の状況とも言えるだろう。事実、音楽によって選手の士気があがることもあれば、応援する観客の一体化もより強まることもある。また音楽業界サイドにしても、大会の盛り上がりとともに、楽曲も広く知れ渡るのだとしたら、相当な宣伝効果となるだろう。開幕後の動きも含め、音楽面からワールドカップに注目するのも新しい楽しみ方かもしれない。
(文=板橋不死子)