宇野維正が3年半ぶりの"マイケル新作”を紐解く

世界最速!? マイケル・ジャクソン新作『XSCAPE』レビュー

 今作『XSCAPE』のエグゼクティブ・プロデューサーは現エピック・レコードCEOのL.A.リード。アルバムのリーディング・プロデューサーはティンバランド。さらにマイケルとも親交の深かったロジャー・ジャーキンス、Ne-Yoなどのマイケル・フォロワー的な楽曲で名を上げたスターゲイトなどが各曲のプロデュースを手がけている。ちなみに、生前のマイケルとスタジオで楽曲を制作していて、前作『MICHAEL』のリリースを強く批判していたウィル・アイ・アムとの楽曲は、今作にも未収録。全体的にプロデューサーの個性を前面に出すのではなく、マイケルの全盛期を思わせるような楽曲を「コンテンポライズ」させることに専念した今作『XSCAPE』。正解か不正解かと訊かれれば、大きな声で「正解!」と言いたくなる、そんな作品に仕上がっていた。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。音楽誌、映画誌、サッカー誌などの編集を経て独立。現在、「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「BRUTUS」「ワールドサッカーダイジェスト」「ナタリー」など、各種メディアで執筆中。Twitter

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