デビュー35周年で豪華共演 ヒットメーカー竹内まりやの「才能の源泉」を探る

 「桑田と原は同じバンドのメンバーとして活動していますが、山下と竹内の2人は、プロデューサーとアーティストという関係性なので、立場的には違うものであるといえます。しかし、山下と竹内も夫婦で”家内制手工業”的な制作をしていると考えれば、本質的にはバンドと同じようなものだと言えるのではないでしょうか。そして、今回の4人は、一般的なイメージとして”テレビから流れる良質な音楽を作る、安心・安定したアーティスト”だというイメージが強いと思います。ただ、山下はフリッパーズ・ギターが活躍していた1990年代初頭に、萩原健太さんの『ポップス・イン・ジャパン』という書籍で『ソフトサウンディングミュージックというのは日本のロックの中では異端で、過激なパッションを持っていなければ遂行できない』とフリッパーズ・ギターを批判するなど、エッジィな部分を持って現在のような音楽を作り続けているんです。そこは山下のみならず、竹内も含め、実は夫婦に共通した感覚なのだと思います」

 最後に宗像氏は、今回の「静かな伝説(レジェンド)」における聴きどころとして、4人の個性的な声に注目して欲しいと続けた。

「前回の『蒼氓』では、4人の個性的な声がハッキリと入っており、互いにぶつかり合いながらも1曲の非常に美しいバラードとして成立していました。その部分が『静かな伝説(レジェンド)』で再現されるだろうとすごく楽しみにしています。山下は『ON THE STREET CORNER』という一人多重録音のアカペラのアルバムのシリーズを出したりするほど、コーラスを研究していたりしますし。桑田と原も、声の個性がそれぞれ強いですからね」

 4人の強い個性が凝縮された作品になるであろう『静かな伝説(レジェンド)』。引き続き今作の情報を期待して待ちたい。
(文=編集部)

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