ホルモンからセカオワ、金爆らに伝染! バンド界にラジオ体操ムーブメント発生中か?

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 ラジオ体操には100年近くの歴史があって、世界で初めてラジオ体操が放送されたのは1922年、ボストンのラジオ局でのこと。我々が知っている今のラジオ体操のベースとなったのは、1925年にアメリカのメトロポリタン生命保険会社が健康増進・衛生思想の啓蒙を図る目的で考案したラジオ体操番組「Setting Up Exercise」(曲のタイトルみたいでカッコいい! というかラジオ体操って「洋楽」だったのか!)。それを逓信省簡易保険局が1928年に「国民保健体操」として制定し、日本中央放送局(現NHK)がラジオで放送するようになって日本全国に広く普及していったというわけ。その頃から今のかたちのラジオ体操第一と第二の内容&構成は変わってないというから、スポーツ医学の進歩などとは別の次元で「教典」であり続けてきた、その完成度と耐久性には驚くしかない。

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 去年からの「予襲復讐ツアー」で、SEKAI NO OWARI、MAN WITH A MISSION、DRAGON ASH、10‐FEET、BRAHMANらと本番前におこなってきた「ラジオ体操の時間」。セミファイナルのこの日は、ホルモンのメンバーにも内緒で、なんとスタッフがラジオ体操の第一人者である長野信一先生(ラジオと同じ、あの声のご本人!)と元NHKアシスタントの小野梨沙さんを特別講師として招聘。ステージに上がってみんなの前でいざ体操を始めようとしていたナヲも、いきなりのご本人たちの登場に唖然。フロアにいる各バンドのメンバーからは、アシスタント小野さんの優雅な一挙一動に大きな歓声が上がり、特にダイスケはんとゴールデンボンバー樽美酒研二はみっともないほど大興奮! 開場直前までラジオ体操第一、ラジオ体操第二、各フルコーラスに加えて念入りな特別講習が繰り広げられた。今回のツアーで、ホルモンも対バンのバンドたちも、ステージ上ではいつになくすさまじいパフォーマンスを見せつけてくれたが、そこには「本番前のラジオ体操」というホルモン直伝の奥義の存在があったのだ。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。音楽誌、映画誌、サッカー誌などの編集を経て独立。現在、「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「BRUTUS」「ワールドサッカーダイジェスト」「ナタリー」など、各種メディアで執筆中。Twitter

(写真=浜野カズシ、たもりみすず)

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