Plastic Treeミニアルバム『echo』インタビュー(後編)

「人はどんな形であれ、音楽を求めていく」Plastic Treeの創作スタンスが変わらぬ理由

ドラム担当の佐藤ケンケン。

ーーわかりました。少し話が逸れますが、今音楽産業も転換期にあって、長年作品を作り続けるということが難しい時代でもあると思います。市場の変化っていうのは、この20年の間に感じられるところはありましたか?

有村:自分の中では20年って……体感的には5年くらいに感じるんですけど、ちょっとそうやって引いて見ると20年ってやっぱり長かったし、変換期だったと思います。単純にアナログからデジタルへっていうのが露骨に出た時代だと思うし。でもそんな大きな変化っていうのは……逆に変化の中にいたので、変わらんものは変わらないなあっていうのがあって。バンド好きで、音楽好きで曲作ってライブして、それが楽しかったからもう一回曲作って、みたいなのはあんまり変わんないかなあ。うちらより若いバンドの子と話すこともあるし、年上の人と話すこともあるんですけど、あんまりみんなスタンス変わらないというか。全部引っくるめて、あんまり変わらないなあていうのが俺の感じるところですね。

ーー表現の現場では変わってないというか。

有村:そうですね。マーケットとかコンテンツは変わっても、音楽好きな人はどんな形であれ音楽を求めていくし。そういった意味では……娯楽自体は変わらないというか。大きな意味があるし、決して薄っぺらになったわけではないと思う。

ーー作り手として環境の変化にあまり惑わされたり、大きな影響を受けたりしないですか。

有村:あんまうちは変わんなかったし、俺もあんま変わんなかったし、っていう。

ーーなるほど。長谷川さんはいかがですか?

長谷川:まあ作り手は、基本構造変わんないっすよね(笑)。ただ自分も含めて聴き手のひとはこれからもどんどん変わっていくだろうし。でも音楽ってもともとそういうものなのかなあと思いますけどね。レコードからCDになって、CDからダウンロードミュージックの時代になって。でもレコード無い時代からクラシックとかああいうものはずーっと残ってるわけで、やっぱりそれってライブがそうさせたんじゃないかな。だから作り手としては、続ける限りはライブがもっともっと大事なものになっていくのかなと思います。音源だけが作品じゃなくて、ライブも自分たちの作品として考えて、音源が必要だから作りましたとか、そういう発想になっていくかもしれないし。

ーーでは最後にお伺いしたいのですが、これから20年を迎えて、プラスティックトゥリーが変わらず大切にしていきたいものってなんですか?

有村:そうですね……なんかこう、バンドでしてみたいこととか、なりたいバンド像みたいなものはいつも理想通りには行かないけど、どんどん自分のバンドに興味を持てることがバンドのエネルギー源だったので、それを失わず居続けられたらいいなあと思います。それが音源だったり、ライブだったり、バンドから生まれる何か……なんかわかんないけどしてみたいことがある、みたいな感じ(笑)。がむしゃらになれる、バンドとしての生き方が出来ればいいなあと思って。とても大変なことだけど、だからこそそれが出来るバンドであればいいなあと思います。

長谷川:自分たちでもいよいよ未知の領域に突入してるので(笑)。でも今までもプラスティックトゥリーってバンドにはいろんなものを見せてもらったし、やっぱりこのバンドはいいバンドだなあと思うんだよね。自分がやってきたことも踏まえて、これからやりたいこともおそらくこのバンドで出来るだろうし。さっき言った楽しむこともそうだけど、やっぱり大変なときは大変。でもバンドを作ったときに持った“あんなことやってみたい”“こんなことやってみたい”ていうのは変わらずあるから、それはこれからも変わらず持ち続けてやっていきたいなあと思っています。
(取材・文=岡野里衣子)

■リリース情報
New Mini Album『echo』
発売:3月5日
価格:初回限定盤(CD+DVD)¥3,300(税抜き)
通常盤(CDのみ)¥2,600(税抜き)
※初回限定盤のみ紙ジャケット仕様

《収録曲》
1.木霊
2.曲論
3.嬉々
4.輪舞
5.瞳孔
6.雨音
7.影絵

《DVD収録内容》
「影絵」Music Video
「echo」オフショット映像

■ツアー情報
『Plastic Tree 結成20周年"樹念"ツアー2014「echo」』
3月16日(日)千葉・本八幡Route Fourteen
3月18日(火)東京・SHIBUYA-AX
3月21日(金)静岡・sound shower ark
3月23日(日)米子・AZTic laughs
3月27日(木)埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
3月29日(土)金沢・EIGHT HALL
3月30日(日)長野・JUNKBOX
4月05日(土)長崎・Be-7
4月06日(日)福岡・DRUM LOGOS
4月12日(土)京都・FAN J
4月13日(日)高松・DIME
4月16日(水)仙台・Rensa
4月17日(木)盛岡・CLUB Change Wave
4月19日(土)小樽・GOLD STONE
4月20日(日)釧路・Club GREEN釧路
4月26日(土)大阪・IMPホール
4月27日(日)名古屋・Zepp Nagoya
4月29日(火・祝)奈良・ネバーランド
5月02日(金)TOKYO DOME CITY HALL
5月03日(土)TOKYO DOME CITY HALL

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