日本上陸の正式発表は21日に持ち越しか Spotify基調講演速報レポート

 ここで話は日本の音楽市場に向く。日本のマーケットでは未だ80%以上がフィジカル(CDやレコード)の売上であり、ストリーミング成長の余地が多分にあることや、日本のCD売上の特殊性(いわゆるAKB商法)から、そのセールスはファンによって守られることが強調された。一方で26%の日本人ユーザーがストリーミングサービスを使ってみたいと考えているという調査結果も発表され、一般のリスナーのSpotifyへの関心の高さを示してみせた。

 最後となる「Brands & Music」はSpotifyを用いたプロモーションについて。一般的な広告よりも CTR(クリック率)が高いことやサードパーティによるトラッキングが可能だという説明の後は、フォルクスワーゲンなど実際の成功事例を紹介しその可能性を語った。ここでは主にスポンサー企業に向けて話がなされ、ソーシャルメディアを用いたマーケティングの手法について説明を最後に講演は幕を閉じた。

 というわけで結局、日本上陸の話はキーノートでは行われないまま。発表を期待して会場に集まった人にとっては肩透かしとなる結果に終わった。しかし最後に今後についての発表があり、Spotifyが今週金曜日のソーシャルミュージックと週末のミュージックハックデイへ参加することが明らかにされた。果たしてそこではサービス開始についての言及はあるのか。今後の動向に注目である。
(文=北濱信哉)

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