Perfumeの対バンツアーはなぜ「フェス」と銘打たれた? ブッキングの意図を読む

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バンドシーンと積極的に関わっていく姿勢を見せるPerfume

 Perfumeが3月15日(土)のNHKホールを皮切りに対バンツアー「Perfume FES!! 2014」をスタートさせることを発表した。

 昨年の5月から6月にかけて行われた初の対バンツアーでは、斉藤和義や奥田民生、マキシマム ザ ホルモンと前代未聞の対バンを組み、音楽業界やファンの間で大きな話題となった。今回のツアーでも、東京スカパラダイスオーケストラやRHYMESTER、RIP SLYME、9mm Parabellum Bullet、秦 基博といったライブに定評のあるミュージシャンから、あ~ちゃんこと西脇綾香の妹が所属するアイドルグループの9nine、気鋭のシンガーソングライターである高橋優、前回に引き続き登場するマキシマム ザ ホルモンまで、個性豊かな面々が揃っている。

 だが、2回目となる今回の興味深いポイントは、共演者のメンツだけではなく、「ツアータイトル」にもあると、音楽ジャーナリストの柴那典氏は指摘する。

「今回のツアータイトルですが、ホール主体の対バンツアーでありながら『Perfume FES!! 2014』と名付けられているところがポイントです。一般的な音楽ファンはこの形式のライヴを『フェス』とは思わないでしょう。しかし、だからこそ、そこからPerfumeが『フェス』というものをどうイメージしているかを読み解くことができる。ポイントはメンバー自らがツアーを発案し、ゲストアーティストを選び、自らオファーしたということです。

 昨年開催された第1弾の対バンツアー『ずっと好きだったんじゃけぇ~さすらいの麺カタPerfume FES!!』の際には、斉藤和義、奥田民生、マキシマム ザ ホルモン宛にメンバー3人からオファーをお願いするビデオレターが送られていました。今回のツアーも、公式でこそ発表されていませんが、ラインナップを見るに、メンバーの意思を尊重して決まった対バン相手だと思われます。最近ではロックフェスにアイドルが出ることはもはや珍しいことではなくなりました。しかし、「アイドル自らがバンドにオファーをして対バンツアーを組む」というのは、まだ誰もやっていなかったこと。またしてもPerfumeが先駆者的な試みを実現させたと言えるのではないでしょうか。そして、これを『フェス』と銘打っているということは、つまりPerfumeは、単なる対バンライブイベントとフェスの違いを『ブッキングしている人の顔が見えること』として捉えているのではないか?という風に考えられるわけです。

 これはASIAN KUNG-FU GENERATIONが主催する『NANO-MUGEN FES』と対比させて考えると分かりやすいでしょう。『NANO-MUGEN FES』も、実際にアーティスト側がブッキングして行っている。そして、横浜アリーナで行う通常の形だけでなく、対バン形式で全国をまわるツアーイベント『NANO-MUGEN CIRCUIT』も、いわゆるフェスの範疇として受け止められている。いわば今回のPerfumeのツアーと『NANO-MUGEN CIRCUIT』のやっていることは同じ構図なわけです。『NANO-MUGEN CIRCUIT』でアジカンがいる立ち位置にPerfumeを置き換えて考えると、対バンツアーに『Perfume FES!! 2014』というタイトルを名付けた意図が見えてくる。これはどのアイドルよりも先にロックの現場に飛び出し、交流をしてきたからこそ生み出すことが出来た、Perfumeなりの『FES』への発想なのではないでしょうか」

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