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『半分、青い。』律たちに希望与えた“ロボヨ”の功績 ロボコン委員・深谷直樹氏に聞く

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 現在放送中のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合)に登場するヒロイン・鈴愛(永野芽郁)の幼なじみ・律(佐藤健)は、進学した西北大学でロボット工学を学ぶこととなる。そのきっかけは、彼にとって思い出の詰まった唱歌「ふるさと」をピアノで弾くロボヨとの出会いからだった。

 『半分、青い。』49話に登場するこのロボヨは、宇佐川教授(塚本晋也)が開発し、搭載された人口網膜といえるCCDによって楽譜を読み取り演奏している、とドラマ内では説明されている。ロボヨのモデルとなったのは、昭和55年に開発されたWABOT-2。今から40年ほど前のロボットを用意するのは難しいため、実際にはロボットハンド部分をドラマのために製作し、演奏シーンに使用したそうだ。今回、このロボットハンドを製作したのは、東京都立産業技術高等専門学校の医療福祉工学コースで准教授を務め、大学・高専ロボコンの競技専門委員でもある深谷直樹氏。ロボヨ制作までの経緯を聞いた。

「ロボコンがきっかけで過去に『アシガール』(NHK総合)や『大江戸ロボコン』(Eテレ)といったドラマでNHKと関わりを持っていて、今年の2月末にお話をいただきました。WABOT-2を実際に動かすのが大変なため、ピアノを弾く手の部分だけを技術で動かしてほしいという依頼でした。NEDOから人型ハンド開発を受託している実績も調べたうえで、これなら可能ではないかと思ったそうです。そのため、今回は実際には楽譜を見て弾いているわけではなく、ロボットハンドでプログラミングをして、『ふるさと』を弾かせています。仕組みが違うとはいえ、かつてとは比べられないほど容易にロボットに演奏させることができるようになったのは、近年の技術発展の賜物です」

 律がロボヨと出会うのは、1990年。実際に、WABOT-2が脚光を浴びたのは、それより少し前のことだったという。

「WABOT-2が大きく脚光を浴びたのは、ドラマの年代より少し前の1985年、つくば万博(国際科学技術博覧会)でした。つくば万博では、WABOT-2をモデルにしたWASBOTというロボットが、開催期間中にピアノを演奏していました。ドラマ内ではその数年後にWABOT-2が登場することになりますね。WABOT-2は、世界の“ロボットの父”である加藤一郎先生が開発されたもので、現在はその愛弟子の一人である高西先生が早稲田大学で教授をされていらっしゃいます」

 ロボットの起源は、手のない義手、足のない義足といった、人間の欠けている部分を助けるために開発されたことから始まるということを聞いた律は、片耳を失調していて、それを助けるようなことは可能なのか、宇佐川教授に質問する。鈴愛は幼少期に左耳を失調しており、律がロボットを発明することはいつしか鈴愛の夢にもなっていた。実際、耳の失調を助けることは可能なのか。

「完全失調だと中核神経に電気信号を送っても反応はしないので難しいですが、人工内耳という技術が開発されていて、ある程度聴力があれば、腸骨神経に電極を刺してマイクを外に出し、そのマイクで拾った音を脳に電気信号で伝える技術はあります。それがロボットと言えるかは曖昧ですが、そういった技術で多くの方が救われています」

 また、朝ドラという国民的ドラマにロボヨ・WABOT-2が取り上げられたことで、多くの反響があったという。

      

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