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『ピアノの森』CG使いに見るピアニストへのリスペクト リアルな運指と背景の作り方 

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 CG技術は、手書きの味の良さを知る日本のアニメーションでも今や当たり前に用いられていて、CGが使われていない作品を探す方が難しくなっている。技術は日々進歩するなか、今問われているのは、それをいかに効果的に用いることができるかだ。

 フルCGでセルルックのアニメを目指す作品も出ているが、まだまだ多くの作品が手描き主体である日本のアニメで、質感の違うCGの使い所は演出家にとって悩みどころでもあり、腕の見せどころでもある。

 その点で、今季のテレビアニメでCG技術を効果的な演出として用いているのが、NHKで放送されている『ピアノの森』だ。色街で生きる若い母親を持つ天才ピアニスト、一ノ瀬海(いちのせかい)が様々な人とふれあい、成長しピアノの才能を開花させ、ワルシャワのショパンコンクールを目指す人間ドラマだ。1998年から2015年にかけて連載された、一色まことの漫画を原作としている。

 本作は一流ピアニストを目指す人々のドラマであり、それを映像で表現するからには、動きも本格的なものでなければならない。この本格的なピアニストの動きをCG技術を用いることで、効果的に表現しており、物語の説得力を劇的に高めている。

モーションキャプチャーによるプロの指使い

 本作の監督に抜擢されたのは、中谷学。日本のテレビアニメは初挑戦となるが、ドリームワークスで日本人初のCGスーパーバイザーという実績を持つデジタル業界の大物だ。『マダガスカル3』や『ヒックとドラゴン』などのハリウッドメジャーアニメーション映画でCGスーパーバイザーとして活躍した彼が、本作の監督を担ったおかげで作品のリアリティと説得力が格段に増している。

 中谷は、ピアニストの動きを再現するためにモーションキャプチャーを採用した。実在の人間の動きを機器で取り込みCGキャラクターに割り当てる手法で、多くの映画やアニメで使われるメジャーなCG技術の1つだ。目新しい技術ではないが、これによってアニメのキャラクターたちが本当に演奏し、音を奏でているというリアリティが生まれている。

 NHK特番で中谷は、「ちゃんと全てが動いてて、ちゃんと演奏しているピアニストと同じ動きをしている。そこにこだわらないと世界のピアニスト、ピアニストを目指している人たちに申し訳ない」と語っている。

 演奏中の指のクローズアップは、本作最大の見せ場となっていると言ってよい。クラシック音楽の優雅さを、音楽だけでなく映像によっても表現しており、音だけでなく指の動きの美しさでも魅了される。

      

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