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『リメンバー・ミー』幻想的な“死者の国”の作り方 ピクサーの最新CG技術に迫る

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 『トイ・ストーリー』シリーズでは“おもちゃの世界”を、『モンスターズ・インク』では“モンスターの世界”を、最新のCG技術で描いてきたディズニー/ピクサー。3月16日より公開される最新作『リメンバー・ミー』でも、主人公の少年・ミゲルの冒険の舞台となる陽気でカラフルな“死者の国”を、さらに新しい技術を駆使して描いている。

 これまで、ピクサーは映画を制作する度に新技術を開発し、美しい映像を生み出してきた。ピクサー以外のアニメや実写作品にも数多く利用されているレンダリング・ソフトウェア「RenderMan」の開発をはじめ、その技術は常に更新され、キャラクターたちの体毛の緻密で質感豊かなモデリング、流体シミュレーションを応用した水や火炎のリアルな描写などは年々向上している。『カールじいさんの空飛ぶ家』では、画期的なコンピュータ処理が施され、鮮やかな色の数千個の風船のシーンが描かれた。『トイ・ストーリー3』では、ゴミ処理施設内のシーンなどで、通常の方法では不可能と思われるアニメーション処理をテクノロジーによって実現させた。「CNET Japan」(映画「トイ・ストーリー3」–ピクサーが切り開くデジタルアニメーションの新境地 – CNET Japan)によると、当時、スーパーバイジングテクニカルディレクターのグイド・カローニとそのチームは、同スタジオのコンピュータを使って無数の小さなゴミにプロシージャルアニメーション(数式、スクリプト、事前に入力したデータなどを利用して自動生成されるアニメーション)処理を施し、可能な限りリアルに見せる方法を考案しなければならなかったという。

 『リメンバー・ミー』では、死者の国を幻想的に見せる“光”や、初めてピクサーが描くガイコツの“個性”が、最新技術を用いて表現されている。

 ガイコツのキャラクターを制作するにあたり、人々に怖がられることなく魅力的に見せるためにこだわって表現されたのが、その表情だ。キャラクター制作に携わったピクサーのジニ・クルス・サントスは「キャラクターの感情を表現するために、ガイコツにはない目玉とまぶた、くちびるを描き、口の形やセリフを表現できるようにした。また一人一人にフェイスペイントを施して個性を出すことにした。人間のように皮膚や筋肉がなくても幅広い感情表現ができるようになったんだ」と工夫を明かしている。感情豊かなガイコツの表情は、実際にデジタル機器を使って描かれ、とくに膨大な作業量だったというフェイスペイントを施す課程では、デジタル・ペイントとカスタム・ソフトウェアをプログラミングして動きが加えられた。シェーディング・チームのバイロンが「私たちはデジタル・ペイントを使って仕上げをし、フェイスペイントや監督が求めるその他のディテールを施した。本作に登場するガイコツのほとんどは、私たちがプログラミングしたこのソフトウェアを使ってシェーディングされたものなのです」と語っている。

 また、本作の舞台となるカラフルでテーマパークのような“死者の国”には、ピクサー史上最大となる約700万個の光が用いられている。ガイコツたちの暮らしぶりを感じさせる無数の窓から漏れる光、街灯や広場の光、建物の輪郭を示すピンライト、ゴンドラの青い照明、大騒ぎのパーティのピンクの照明。本作における“光”は、演出上とても重要なものだ。幻想的な情景を表現するためには、オレンジや青などの光を使ってカラフルに描く必要があった。そこで使ったのが、「ディープ・ロッド」というテクノロジー。小さな光の球が霧状になったもので、それに任意の色を施した。結果として、暖色のものを使用して生活感を演出したり、都市的な雰囲気を作り出すことに成功した。

      

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