若手女優が“過激な演技”に挑戦するときーー飯豊まりえが告白する『暗黒女子』撮影裏話

飯豊まりえが告白する『暗黒女子』撮影裏話
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 最近、それまでのイメージを覆す役柄で注目を集める若手女優が目立っている。たとえば、“千年に一人の美少女”アイドルとして一躍有名になった橋本環奈が、体を張ったコメディに挑戦したり、元AKB48の川栄李奈が、凶悪な殺人鬼役や大胆なラブシーンに挑んだり、だ。これまでの彼女らのイメージとはあまりにもかけ離れたその役柄と演技のギャップに、衝撃を受けた人は少なくない。

 8月26日にDVDが発売される映画『暗黒女子』で主演を務めている飯豊まりえも、同作で新たな役柄に挑戦し、新境地を切り拓いた若手女優のひとりだ。同作は、秋吉理香子の同名小説を、『MARS~ただ、君を愛してる~』の耶雲哉治監督が実写化したミステリー映画。謎の死を遂げた全校生徒の憧れの的“白石いつみ”が会長を務めていた文学サークルで、「いつみの死」についての朗読会が開かれる模様を描いている。清水富美加と飯豊まりえがW主演を務めるほか、キャストには、清野菜名、平祐奈、玉城ティナ、小島梨里杏ら今注目の若手女優が多数名を連ねる。

 “腹黒”な女子高生6人が繰り広げる壮絶なダマし合い。一見、仲がよく華やかな文学サークルに見えるが、その実態は“暗黒女子”たちの集いだった。部員それぞれに“裏の顔”があり、誰にも言えない秘密がある。そんな文学サークルの会長であり、彼女らを支配していたのが、飯豊演じる聖母マリア女子高等学院の理事長の娘・白石いつみだ。表向きは、優雅で美しい学園のカリスマ。だが、裏ではこの世の人間すべてが、“私”を輝かせるための“道具”だと思っており、そのために他人を利用している少女だった。

 これまで清純派のイメージが強かった飯豊が、今回のドス黒い役柄に挑戦したことで、女優としてどんなメリットがあったのだろうか。改めて飯豊に訊いてみたところ、「自分のどこかにある人に見せない部分や、自分のどこかにある引き出しを知ってもらえたことは、これからの女優人生での振り幅が増えたと思っています。そして、自分自身にも変化がありました。撮影の時はとても辛かったのですが、今振り返るとその経験のおかげで、当時より自分の中にある芯を強く持てるようになりました」とコメント。今までに経験したことがないジャンルに挑んだことで、飯豊自身も成長し、女優としても新境地を開いたようだ。

 また、“白石いつみ”という難しい役を演じたことにより、演技の実力を身につけることができたのも、彼女にとって大きな収穫だった。飯豊は、「感覚でお芝居をするのではなく、台詞の抑揚をつけるところからお芝居をしっかり計算して演じることを耶雲(哉治)監督から教わりました」と、現場での学びを振り返る。さらに、「主演という立場でお仕事をさせていただいたのは『暗黒女子』が初めてでした。今までとは違う責任感があって、“自分がなんとか頑張らなければ”というガムシャラになっている自分に出会えました。『暗黒女子』のお芝居やプロモーションなどをみていただいてお仕事のお話をいただいたこともあり、確実に次に繋がることができました。耶雲監督や共演者のみなさんとスタッフさんの支えのおかげです。まだまだ、これからもひたむきに頑張っていきます!」と、メガホンを取った耶雲監督らに感謝を述べており、女優としてステップアップしたことが伺える。

 そんな飯豊にとってターニングポイントとなった作品『暗黒女子』は、“イヤミス”というジャンルだけに留まらず、ホラー映画としての魅力もあるという。本作で描かれている怖さについて飯豊は、「『暗黒女子』は全員悪女がテーマなので、誰がどんな怖い顔を持っているのか探りながらみるのもゾクゾクします。ラストに衝撃的な展開があり、演技をしているこちらもドキドキが止まりませんでした。私はこの作品に携わって、お化けよりも人間が一番怖いなと思いました(笑)」と説明。また、不気味な映像効果が使用されていたり、人形に杭を打ち込むシーンなどがあったりと、視覚的な部分でもホラー映画として楽しめる。

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