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『沈黙ーサイレンスー』日本人俳優はノミネートなるか? アカデミー賞ノミネーション発表に寄せて

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 日本でも1月21日より公開されたマーティン・スコセッシ監督の『沈黙ーサイレンスー』。アメリカでは一足早く、昨年12月23日にニューヨークとロサンゼルスで限定公開、年明け1月13日より拡大公開されている。1月22日現在の興行成績は約516万ドル(約6億2千万円)と、万人受けする題材ではないのに健闘している。アカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデングローブ賞ではほとんどスポットライトが当たらなかったが、アメリカ時間1月24日(日本時間24日22時)に発表される第89回アカデミー賞のノミネーションには、どこまで食い込んでくるだろうか?

 『沈黙ーサイレンスー』は、28年前に遠藤周作の原作を読んだマーティン・スコセッシ監督が映画化を心に決め、長い年月をかけ作り上げた作品。筆者も12月23日の限定公開日に劇場で鑑賞したが、17世紀の日本を舞台にキリシタン弾圧と棄教についての物語で、上映時間が3時間近い作品にもかかわらず7割くらいの客入りだった。その多くは年配の夫婦とおもわしき人々だったが、中には映画ファンや映画学科の学生風な若者も混じっていた。序盤に激しいキリシタン弾圧のシーンが続くと劇場を出てしまう観客もいたが、ラストでは静かな拍手が起き、皆が神妙な面持ちで劇場を後にしているのが印象的だった。

 エンターテインメント・ウィークリー誌はB評価をつけた上で「厳かで冷酷な160分間は、自身の信仰と対峙する者のみ成し遂げられる耐久戦のようでもある」と評しており、まさに耐久戦を耐え抜いた勇者が拍手を送っていたのだろう。一方、ロサンゼルス・タイムズは「スコセッシ監督は、(キリストを悩める人間として描き物議を醸した)『最後の誘惑』(1988年)などで彼の中にあるキリスト教信仰を映像化・ドラマ化してきたが、原作を読んでから映像化まで約30年の歳月を費やした今作は、彼の映画作家としての集大成級の作品だ」としている。

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 さらに、「ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)の歪んだ合わせ鏡のようなキチジローを演じた窪塚洋介の演技は忘れがたい」、井上筑後守役を演じたイッセー尾形については「大胆で、美しく計算つくされた演技」と評価が高い。イッセーは昨年末に発表された「ロサンゼルス映画批評家協会賞」の助演男優賞にて、『ムーンライト』のマハーシャラ・アリに次ぐ次点に選ばれている。果たして、明日のノミネーションでは『沈黙ーサイレンスー』の日本人俳優たちがノミネートされる可能性はあるのだろうか?

 今年のアカデミー賞の下馬評では、ゴールデングローブ賞を史上最多の7部門受賞した『ラ・ラ・ランド』が作品賞、監督賞、主演女優・男優賞、歌曲賞、音楽賞の最有力との見方が多数だ。だが、『ラ・ラ・ランド』には目立った助演男優・助演女優がいないことから、助演は作品として評判の高い『マンチェスター・バイ・ザ・シー』や『ムーンライト』の俳優・女優たちと分け合うだろうという説がある。

      

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