二宮和也とビートたけし、『赤めだか』で師弟愛をどう描く? キャスト陣の実力を読む

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(C)タナカケンイチ

 年末年始は大型の特別ドラマが最も多い時期だが、今年は超目玉の作品がある。12月28日(月)に放送される立川談春原作の『赤めだか』は、累計18万部のベストセラー。「不世出の天才落語家」立川談志と、「平成の名人」立川談春ら弟子たちの師弟愛を描いた名作が、発売から7年半の歳月を経て、いよいよ映像化されるのだ。

 期待感をかき立てるのは、意義深いキャスティング。談春を演じる二宮和也は、『拝啓、父上様』『フリーター、家を買う。』のようなヒューマン作に相性が良く、落語家を演じるために必要な話術においても、同世代を凌駕するスキルを持ち合わせている。さらに二宮は、年始の特別ドラマ『オリエント急行殺人事件』で野村萬斎、西田敏行、佐藤浩市と共演したときのように、大物と対峙するほど輝きを増すタイプの俳優だ。

 『赤めだか』での大物は、もちろん談志を演じるビートたけし。もはや説明不要の重鎮だが、かつてたけしは談志に弟子入りして「立川錦之助」という高座名をもらい、本人の前で落語をかけたことがあった。毒舌とブラックユーモアを押し出す芸風に加え、照れ屋で不器用な人柄もどこか似ている。談春が「談志の弱さまで演じられる唯一の人」と絶賛しているように、芸への真摯な愛とムチャクチャな言動がシンクロした、まさにハマリ役だ。

 実質上のダブル主演となる初共演の2人がどんなかけ合いを見せるのか……というより、「上の者が白いと云えば黒いもんでも白い」のが落語界のならわし。とりわけ談志の立川流は、どの流派よりもその傾向が強いため、「高圧的に攻めるたけし」と「タジタジになりながら守る二宮」という関係性が見物となる。談志をよく知るたけしも、談春との共演歴がある二宮も、本人の佇まいをリアルに再現できるだけに、落語シーンを含め、その一挙手一投足に注目してほしい。

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