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92年にシングル「ユー・リマインド・ミー」でデビューしたメアリー・J.ブライジ。その後彼女が発表したシングル「リアル・ラヴ」は、未だ色褪せることのないヒップホップ名盤オーディオ・トゥー「トップ・ビリン」を効果的にサンプリングしたものであり、そのフレッシュなビートと感情を揺さぶるような彼女の歌声が融合、その結果、大ヒットを記録した。メアリーはトップ・ディーヴァへの道を歩き出したのである。
先ほどメアリーの歌声を「感情を揺さぶる」と表現したが、それをより細かく描写すると「胸を激しく締めつけるような切なさ、そしてクールネスかつラフネスな佇まいを同時持ち合わせた絶妙な感じ」(とは分かりづらいかもしれませんが……)。とにかく、この「リアル・ラヴ」のヒットを機に、あまたのR&Bアーティストがこぞってラップ・クラシックをサンプったナンバーを産出。それと並行してメアリーの影響力もグイグイと大きくなっていった。さらに、トラックのサンプリングとして頻繁に用いられる、Bボーイ魂をくすぐる定盤——例えばケニー・バーク「ライジン・トゥ・ザ・トップ」、メリー・ジェーン・ガールズ「オール・ナイト・ロング」——などを使用した楽曲が多かったこともあって、メアリーはある称号を手中に収めることに。“クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル”という称号である。
作品を重ねるに連れて幾分かヒップホップ色は希薄になっていくものの、彼女のソウルフルなヴォーカルは徐々に洗練/熟達されている。メアリー・J.ブライジは、ワインの熟成を思わせるような味わい深いアーティストへと躍進を遂げたのである。彼女が世界を代表する“トップ・ディーヴァ”であることを誰が否定できようか。

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