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04 Limited Sazabysの本当の快進撃はここから始まるーー真摯な思いを伝えた横浜アリーナ公演レポ

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 バンドとしての確固たるスタイルを貫き、徹底的にポップで、ライブはどこまでも気持ち良く、さらに真摯なメッセージ性もたっぷり。現代のロックバンドに求められる要素を(GENいわく“普通の兄ちゃんのままで”)完璧に実現している04 Limited Sazabysが10周年を記念した初のアリーナツアー『04 Limited Sazabys 10th Anniversary Live』を開催した。本稿では初日(4月29日)の横浜アリーナ公演をレポート。ロックキッズからの絶大な支持を得ているフォーリミの魅力を探った。

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 『04 Limited Sazabys 10th Anniversary Live』の初日、横浜アリーナ公演。フォーリミにとって初めてのアリーナライブだが、結果から言えば彼らは、いつも通りのパフォーマンスによって、この大きな会場を完全に乗りこなしてみせた。まったく背伸びせず、普段着のままでアリーナライブを掌握したことは、フォーリミのポテンシャルがさらに向上していることの証明に他ならない。

 ステージ後方に設置された階段から登場した4人は凄まじい歓声を浴びながら、定位置に着く。ドカン! という爆音の火花とともに放たれたオープニングナンバーは「fiction」。さらに「escape」「knife」「Chicken race」とライブアンセムを次々と披露し、スタンディング形式のセンター席では当然のようにモッシュが巻き起こる。炎、レーザーなどの演出も派手。“せっかくのアリーナなんだから、やれることは全部やる”という気合いが伝わってくる。

 「名古屋の旗を持って、横アリ城を攻めに来ました!」というキャッチーなフレーズで最初のMCを始めたGEN(Ba/Vo)。「ただの兄ちゃんだった俺らがここまで来た。これはヒーローになるまでのストーリーじゃなくて、ヒーローになってからのストーリーなんですよ。わかってる?」と最新シングル「My HERO」を演奏する。“楽曲に込めたメッセージ、ストーリーをわかりやすい言葉で伝えたうえで演奏を始める”というスタイルも、フォーリミのライブの魅力。煽りと語りと楽曲を一体化させ、感情と肉体の両面でオーディエンスの高揚感を上げていくGENのステージングセンスは本当にすごい。また「drops」では<ピッチ ピッチ>というポップに振り切ったサビに合わせて観客が両手を上げる。こんなにかわいいフレーズ(じつは切ない曲というのもポイント)で盛り上がれるメロコアバンドはまちがいなく彼らだけだろう。

 中盤に披露された「Standing here」も心に残った。「僕ら10年やったんですけど、この曲はむしろ12年くらい前に作ったんじゃないかな。“俺たちはここに立っている”という懐かしい曲を聴いてください!」(GEN)という言葉に導かれたこの曲は、2010年7月にリリースされた最初の音源。当時のフォーリミは決して順風満帆ではなく、同年11月にオリジナルメンバーのドラマーが脱退。翌年1月にKOUHEIが加入し、現在のメンバーが揃った。未来がまったく見えなかったはずの2010年(この後のMCでHIROKAZは「最初の音源を出した後がいちばん苦しかった」とコメントしていた)の楽曲を横浜アリーナという舞台で堂々と演奏する。そのこと自体がフォーリミの圧倒的な成功を示していたと言っていい。

 10周年の記念ライブらしいサプライズ的な演出も。GENがスタッフに対する感謝を口にした後、「あれ? でも、ちょっと動きがヘンなカメラマンの人がいるな」という視線の先にいたのは、BLUE ENCOUNTの田邊駿一(Vo/Gt)。「何しにきたの?」「え?! 1曲歌わせてよ」というフランクすぎるトークの後、田邊もマイクを持ち「climb」を披露。田邊がステージを去った後はgo!go!vanillasの牧達弥(Vo/Gt)も登場し、「Warp」をセッションした。ブルエン、バニラズはフォーリミと親交が深く、もちろんフォーリミ主催フェス『YON FES』にも出演している。同世代のバンド、同時代のシーンを一緒に盛り上げたバンドとのつながりを可視化し、それをオーディエンスに提示できることもフォーリミの強みだし、観客もそれを強く求めているのだと思う。実際、田邊、牧が登場したときの盛り上がりは本当に凄まじかった。

 「ワンマンに来てくれた人にいちばん愛を感じます。それをTwitterで書いたら“フェスのお客さんを差別するんですか?”みたいなリプライが来たんですけど、当たり前じゃないかと。俺たちだけを見に来てくれた人には愛しかありません」(GEN)というファン感涙のコメントにリードされた「Letter」からライブは後半へ。「hello」では<永久に永久に/ちょうどいい空気で>という大合唱が巻き起こり、「みなさんの未来に光が差しますように、俺たちの未来に光が差しますように。そして日本のロックシーンに光が差しますように!」(GEN)という言葉とともに放たれた「swim」では、この日、もっとも激しいモッシュが巻き起こる。

 快楽的なポップネスを含んだGENのボーカル(そして、楽曲のボトムを支える骨太のベースライン)、キャッチーかつエッジーなフレーズを交わし合う HIROKAZ、RYU-TAのギター、抜群のスピード感を備えたKOUHEIのドラムがひとつになったアンサンブルも最高。特に正確さとパワーを兼ねたKOUHEIのプレイは、メロコアバンドとしてのフォーリミの軸をしっかりと担っていた。あんなにも速くて安定感のある2ビートを叩けるドラマーは本気で稀だと思う。

      

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