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『Stones』インタビュー

UQiYOが語る“サブスク時代”の音楽の届け方 「ローカルな日本を土台に飛び出す時期が必ず訪れる」

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 UQiYOが、4月11日に3rdアルバム『Stones』をリリースする。

 UQiYOは2017年4月より、新たな試みとしてSpotifyやApple Musicをはじめとした各サブスクリプションサービスにて、毎月新曲を発表してきた。今作には、その新曲群が時系列順に収録されている。

 今回、リアルサウンドでは聞き手に音楽評論家の小野島大氏を招き、楽曲制作を手がけるYuqiに単独インタビューを行った。サブスク時代と言われる今の時代における音楽の届け方や活動方法、そしてUQiYOにとっての“日本らしさ”など、示唆に富んだ話を聞くことができた。(編集部)

Music Video “loTus feat. Pt. Ajay Pohankar” – 3rd Album『Stones』| UQiYO ウキヨ

「面白い発想で、ひとひねりした試みができないか」

ーー3年ぶりのフルアルバム『Stones』ですが、各ストリーミングサイトで毎月1曲新曲を発表する「月刊少年ウキヨ」という企画でリリースした楽曲を時系列に収録したアルバムですね。

Yuqi:いやあ、もうほんとに……死ぬかと思いました(笑)。

ーー毎月新曲を出す。簡単そうに見えて大変な企画だったと思います。

Yuqi:そうですね……正直、わりと軽い気持ちで始めたんですけど、じわじわと「これはヤバいやつ始めちゃったな」と(笑)。

ーーそもそもどういうところから始まった企画だったんですか。

Yuqi:ちょうど1年くらい前だったと思うんですけど、サブスク(サブスクリプション制ストリーミングサイト)がいくつも出てきて、プレイリストという存在が本格的に注目され始めた時に、みんなの音楽の聴き方が変わる、みたいなことがしきりに言われるようになったんです。各アーティストもそれに対応してプレイリストを作ったりするようになった。じゃあアルバムを出さないでプレイリスト的な発想で、1曲1曲各プレイリストに載せてもらうように出せばいいじゃん、という考えまでは容易に行き着いたんです。でもそれだけじゃ、西洋的な合理主義に則ってるだけで、あまりにも心が通ってないし、冷たい感じがして。なにかひとつ面白い発想で、ひとひねりした試みができないかと思ったんですね。

ーーはい。

Yuqi:そこで考えたのは、作家の人って雑誌などで連載して、それがたまって単行本として出すじゃないですか。それを音楽でやってもいいんじゃないか、それこそがプレイリストであって、アルバムってそういう定義でもいいんじゃないかと思ったんです。まとめて曲を作って出すんじゃなく、毎月頑張ってコツコツ作ったものを発表して、それを単行本にするようにまとめてアルバムを作るのでもいいじゃないかと。

ーーじゃあ最初からアルバムにまとめるつもりで始めたわけですか。

Yuqi:うーん、ざっくりとは。最初はもっと短いはずだったんですよ。ミニアルバムでもいいと思ってたので。半年ぐらい、6曲ぐらいのイメージで。でもサブスクで再生数がどんどん伸びてきて、もっと続けてみようって話が出て……そこからが大変でしたね(笑)。もともとストック一切なしで、ちゃんとその月ごとに作ってたんですよ。

ーーストックなしで始めたんですか! 普通、作家も連載前に何回分か書きためておきますよ。

Yuqi:ガチンコだったんですよ、ムダに(笑)。楽曲を作ること自体は今でも好きなんですけど、とにかく時間が足りなくて。曲だけじゃなくMVも並行して作ってたので。しかもその間にいろんなお仕事をもらったり企画で海外に行ったり、複数のことを同時に進めていたら、一気に〆切りが押し寄せてきて。やっとできた! と思ったら、もう次の〆切りが来てる、というような状態で。

ーー『少年ジャンプ』の作家先生の気持ちがわかったような。

Yuqi:そうなんですよ。それで「月刊少年ウキヨ」ってタイトルにしたんですよ(笑)。

ーーUQiYOの楽曲はYuqiさんが1人で制作してますから、全てがYuqiさんの肩にかかってきますからね。でも自分で決めてやってることだから逃げようがないですよ(笑)。

Yuqi:そうなんですよ(笑)。ヤバかった。体調を維持することも大変で。

ーーどの段階が一番大変だったんですか。そもそもの発想の段階で時間がかかるのか、それを具現化して完成させていく過程が大変なのか。

Yuqi:僕は発想の段階で行き詰まることはあまりないんです。僕の場合、あまりプリプロはやらず、最初から清書のつもりでやるんですよ。最初から最終音源にするつもりで音をどんどん入れていって、ダメだと思ったら消していく。最初からペンと修正液で描いているような状態で作るんです。なのでとりあえずペンを走らせるまでは早いんですが、そこから納得いくところまで行き着いて、ミックス、マスタリングまでが時間がかかる。それを今回は数日間で終わらせなきゃいけなかったから。

ーー数学みたいに明快に答えが出るものでもないし、納得のラインを自分で決めなきゃならないわけですよね。

Yuqi:そうですね。だから〆切りの時点で納得いくもの、ということになるんですけど、今聴くと納得いってないところもあって、そういうところは今回CDにするにあたって修正したりしてるんですけど……とにかく「このままでは出せない」というラインを超えるのがいつも大変でした。

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