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ライブ会場不足、本当に深刻化するのは“東京五輪前後”? 関東のアリーナ&ホール新設の傾向を探る

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「2016年問題」は深刻ではなかった?

 ライブ・エンターテインメント業界において、2015年頃から話題に上り始めた会場不足の問題。2020年東京オリンピック開催に向けた大型施設の改修や建て替え時期が重なる2016年に、会場不足が深刻化すると言われてきた。「2016年問題」である。果たして実際に「2016年問題」は起こっていたのか。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会が2003年から発表している「年別基礎調査報告書」の2015年と2016年の通年(1月〜12月)、2017年上半期(1月〜6月)のデータを比較し、考察してみたい(※カッコ内は前年同期比)。

 2015年

・年間公演回数…29,546本(107.1%)、都道府県別公演数[関東]…11,252本(103.5%)
・年間総動員数…47,533,118人(111.5%)、地域別動員数[関東]…25,026,098人(107.2%)
・総売上額…318,634,672,225円(115.9%)、地域別売上額[関東]…165,190,852,392円(119.3%)

 2016年

・年間公演回数…29,862本(+316本/101.1%)、都道府県別公演数[関東]…10,710本(95.2%)
・年間公演回数…47,687,760人(+15万4642人/100.3%)、都道府県別公演数[関東]…23,915,599人(95.6%)
・総売上額…310,078,303,681円(97.3%)、地域別売上額[関東]…160,188,010,758円(97%)

2017年 

・公演回数…13,767本(前年同期比+305本/102.3%)、都道府県別公演数[関東]…5,156本(前年同期比108.2%)
・動員数…1986万7914人(前年同期比+71万3753人/103.7%)、都道府県別公演数[関東]…9,970,353人(前年同期比+105%)
・売上額…129,709,863,706円(115.7%)、地域別売上額[関東]…70,456,564,784(122.7%)

 公演回数、動員数、売上ともに前年から大幅な伸びを見せていた2015年に対し、2016年は公演回数、動員数ともに前年超えではあるもののスケールダウン。総売上額についてはやや前年割れという結果だった。また、渋谷公会堂・日本青年館・SHIBUYA-AX・横浜BLITZといった多くのホール・ライブハウスが「2016年問題」に先駆け相次いで閉館した余波や、横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナの数カ月に及ぶ改修による閉鎖なども影響し、関東公演が減少傾向にあった一方、北陸新幹線の開通に伴いアクセスしやすくなった北陸・信越、関東に次ぐ公演数を誇る近畿地方の動員数は前年比110%超え、特に北陸・信越は売上額に関しても前年比146.9%という伸びを見せた(参照:平成28年の調査結果について)。翌年2017年上半期には、再びいずれの項目も上昇傾向に。関東では横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナも再オープン。動員数の内訳ではアリーナ公演が4,141,556人で125.9%という結果となった(参照:平成29年上半期の調査結果について)。

 このように、ここ数年の業界全体の数字を見ると、「2016年問題」はさほど大きな問題ではなかったように映る。実際、全体を司る大きな数字の増減はアリーナ・スタジアム級の公演数による影響が大きい。集客力のあるビッグネームのアーティストがロングツアーを開催するか否かで数字が大きく変動するからだ。2015年にはMr.Children、2016年にはBIGBANG、2017年には三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEをはじめとする人気アーティストたちが数十〜百万単位の動員による大規模ツアーを積極的に開催しているため、結果として大きな変化が表れなかったのだと思われる。

      

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