Little Glee Monster、「ギュッと」でさらなるブレイクへ? 曲調の変化に見るグループの成長
2017年に大躍進を果たした5人組女性コーラスグループ・Little Glee Monster(リトグリ)。今年で結成5年、デビュー4年の彼女たちは、さらなる飛躍を遂げるタイミングを迎えている。
リトグリがその存在感を示した始めたのは今からおよそ3年前のドラマ『表参道高校合唱部!』(TBS系列)で主題歌を務めた「好きだ。」。当時“平均年齢15歳の女子中高生ボーカルユニット”と紹介されていた彼女たちも今では20歳を目前に控え、すっかり大人の表情に。1stアルバム『Colorful Monster』のタイトルにもあるとおり、カラフルでポップ、元気なイメージの楽曲を得意としてきた初期の頃に比べ、今や歌いこなす楽曲はジャンル問わず多岐にわたる。2017年5月にはEarth, Wind & Fire、7月にはアリアナ・グランデの日本公演に出演するなど、立て続けに海外ミュージシャンとも共演を果たし、さらに10月放送の日曜劇場『陸王』(TBS系)では彼女たちが歌う平原綾香「Jupiter」、中島みゆき「糸」のカバーが劇中歌として使用され話題となった。堂々と歌い上げるパワフルなボーカルから、感情の機微が伝わる繊細なコーラスワークまで、ライブ会場や様々なメディアを通して、リトグリの存在感を改めて世間に周知させた一年だったのではないだろうか。
そんなリトグリが2018年最初のシングル曲として発表するのが、等身大のラブソング「ギュッと」。映画『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』のエンディングテーマである。先に挙げた「好きだ。」が溢れ出す“好き”の気持ちを爽快に歌う片思いソングだったのに対し、今回の「ギュッと」は“手を繋ぐことができる距離にはいるけれど、本当の気持ちが伝えられずにいる”という、同じ恋愛ソングでも歌われるテーマも一歩先に進んだ印象。リトグリのラインナップにありそうでなかったかわいらしい曲調も新鮮だ。映画では絶妙なタイミングで流れる甘く切ない彼女たちの歌声が観客の涙を誘う。
YouTubeには同曲のリリックビデオとは別に、『プリンシパル』の篠原哲雄監督が手がけたリトグリ初の恋愛ショートムービー「Little Glee Monster 『ギュッと』〜きっとキュンとなる7分間〜」がアップされているのだが、その映像の中で流れる「ギュッと」がまた良い。映像では、女の子2人と男の子1人の仲良し3人組の友情と恋心が交錯する様子が約7分の短いストーリーに凝縮されており、中盤に流れる「ギュッと」のパートに心が締めつけられ、ラストに流れるパートでは祝福ムードを演出する。一曲の中にそれぞれのシチュエーションに寄り添うような響きの変化があるのは、5人の歌声の豊かな表現力に他ならない。出会いと別れのシーズン、「ギュッと」が多くの若者の心をさらにときめかせることになるだろう。
リトグリは本日3月9日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演し、「ギュッと」と中島みゆきのカバー「ファイト!」を披露する。あらゆる世代や層に届く幅広い楽曲を歌ってきたリトグリのアイデンティティを感じさせる「ファイト!」と、青春と胸キュンが詰まったこれからのリトグリの可能性を感じさせるラブソング「ギュッと」。「ギュッと」を機に若い世代のアイコンとしてもさらなる支持を集め、ブレイクの一途を辿る日はそう遠くはなさそうだ。
(文=久蔵千恵)