Mia REGINA×こだまさおり対談 “涙とガールズトーク”する『citrus』EDテーマ秘話を語り合う

Mia REGINA×こだまさおり対談

ニューシングルは「メッセージ性ゼロ」?

ーー実は「Dear Teardrop」ってMia REGINAのディスコグラフィの中では……。

リス子:珍しいタイプかも。

ーーですよね。ミディアムテンポのグッドメロディに乗せて、リス子さんの言うところの「キレイな」言葉を歌う曲って、昨年末リリースのミニアルバム『YES or NOstalgic!!!』に収録されていた若歌さんと楓裏さんのデュエット曲「キンモクセイ」くらいしかないよな、という気がしていて。

若歌:確かにこのくらいのテンポ感の曲を3人で歌うのは初めてですね。

リス子:だから新しい挑戦ではあったし、挑戦できることはうれしいことではあったんですけど、この曲については最初に聴いたときから「楓裏ちゃんが輝きそうな曲だな」とも全員一致で思ってたんです。

楓裏:ミディアムテンポの曲はもともとよく歌っていたりもしたので「好きなタイプの曲きた!」って感じでした(笑)。

リス子:そういう感じで楓裏ちゃんがどう歌うかっていうのは、なんとなく想像がついていたし、私は今回レコーディングが2番目。若歌様のあとだったんですけど、そのレコーディングのときにスタッフさんから「若歌様はちょっと年齢感低めで歌ってましたよ」って聞いていたので、私は若歌様とも、これから歌う楓裏ちゃんとも違う、ちょっと年齢感高め……女子高生グループの中でも、キャピキャピしているみんなを見ながら「うん、いいんじゃない?」って言ってる感じのお姉さんタイプで歌ってさえいれば大丈夫だろうな、と思ってました。

ーー今までアッパーなシングルをリリースしてきた皆さんが、2018年第1弾のシングルの表題曲として、いい意味で「フツーにいい曲」を発表するのってけっこう勇気が要るんじゃないかと思っていたんですけど、そうではなかった、と。

リス子:なかったですね。私たちの中では『YES or NOstalgic!!!』というミニアルバムがMia REGINAの第2シーズンの始まり。去年末がそういう仕切り直しのタイミングだったので、「Dear Teardrop」はその続きの1曲って感じです。

若歌:第1シーズンはとにかくいろんな曲を作って、ライブで歌っては育ててきていて。そういう曲たちがけっこうたまってきた上での第2シーズンはなにを歌っていくのか? って考えたときに、出てきたキーワードがミニアルバムのタイトルにもある“ノスタルジック”だったんです。Mia REGINAって3人とも1990年代のアニソンやキャラソンやゲームソングが好きなので、ちょっと懐かしさがあって、何年後に聴いても「この曲やっぱりいいよね!」「いつ聴いても最高!」って言ってもらえる曲を作ろうというコンセプトがこのあいだのミニアルバムにはあって。今回のシングルもそれを受け継いで、ちょっとノスタルジックな曲にしたいよね、ということはスタッフさんと話していたので。曲が届いたときは「確かにどこか懐かしい」と思っただけというか、ビックリはしなかったですね。

ーーまさに「この曲やっぱりいいよね!」「いつ聴いても最高!」って言い切れる定番曲、王道曲ができた感じ?

若歌:しかもただの定番じゃない感じですね。確かに歌詞もメロディも切なくて、誰の心にも響く感じなんだけど、音だけ聴いていると、単に切なくなるだけじゃなくて、どこか明るさがあるというか……。

ーーシンセベースが派手に鳴っていたり、キックのアタックが強かったりと、実はけっこう面白いアレンジになってますよね。

若歌:そこにバラードとは言い切れないなにかがある感じがして、いいなあって思ってます。

ーーでは最後にこだまさん、ミュージシャンの先輩として、そして最も3人の歌声に触れてきた1人として、第2シーズンを迎えたMia REGINAにアドバイスとかあったりします?

こだま:いやいやいや、そんな偉そうな……。勘弁してください! って感じですよ(笑)。

リス子:でもこういうふうに作家の方とお話するのは楽しいので、私たちとしては、もっと関わっていきたいですね。

若歌:3人ともアルバム曲やシングルのカップリング曲の歌詞を書くこともあるから、作詞については聞きたいことはたくさんありますし。例えば「Dear Teardrop」っていうタイトルと歌詞はどっちが先にできたんだろう? とか。

こだま:あっ、今回は歌詞を書いている途中でタイトルを思いついた感じなんですけど、それは曲によってまちまちですね。タイトルを決めてから歌詞を書きだすこともあるし、歌詞が完成してからタイトルを考えることもあるし。

若歌:やっぱり参考になる(笑)。

リス子:種明かししていただいたというか、講義や授業を受けてる気持ちになってます(笑)。

楓裏:勉強になります!(笑)。

リス子:だからというわけではないんですけど、こだまさんにはこれからも歌詞を書いていただいな、と思っていて。

ーーで、こういう座談会をまた開いて……。

若歌:作詞のテクニックを盗んで(笑)。

こだま:いやあ、次もまた「感覚で書いてます」しか言わないし、言えないと思いますよ(笑)。……ホントに説明できないんですよね、歌詞を書いてるときのことって。

若歌:でも<瞳の奥が熱くなる>みたいな歌詞を、心と身体の動きを冷静に観察しながら書くんじゃなくて、感覚で書けてしまうのはやっぱりすごいと思うし、そういう素晴らしい人なんだな、っていうことがわかっただけでもうれしいよね。

リス子:こだまさおりオタクとしては(笑)。

こだま:恐縮です(笑)。でもホントにこれまでいろんな曲を歌われてますよね。

若歌・リス子・楓裏:はい。

こだま:だから今後どんな曲を歌いたいんだろう? って思っていて。その皆さんが歌いたい曲に詞をつけてみたいですね。

ーーおーっ! じゃあさっそくリクエストを。

楓裏:今回は切ない感じだったので、次は強いヤツを(笑)。

こだま:どんな種類の強さ?

楓裏:カッコいい強さですね。

ーーこだまさおり×Mia REGINAの組み合わせで強くてカッコいい曲は意外性があっていいですね(笑)。

若歌:あとあっけらかんとした歌詞も面白いかなって思ってます。こだまさんが歌詞を書かれているいろんなアニメのキャラクターソングの中にもいい意味でメッセージ性ゼロみたいな曲ってあるじゃないですか。メッセージ性よりも勢いを重視した作品。そういう曲をミアレジで歌ってみたいんですよ。今までメッセージ性強めというか、思いを詰め込みすぎるだけ詰め込んだ結果、すべての言葉になにかしらの意思が宿ってるみたいな曲を中心に歌ってきたので。

こだま:あははははメッセージ性ゼロ(笑)。でもそういうあっけらかんとした曲をライブの最後に歌うといいかもしれないですね。

若歌:で、「あー、楽しかった」ってライブを終えられたらいいな、って思ってます(笑)。

(取材・文=成松哲/撮影=三橋優美子)

Mia REGINA『Dear Teardrop』

■リリース情報
『Dear Teardrop』
発売:2月28日(水)
価格:1,200円+税

<収録内容>
01:Dear Teardrop
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:渡辺和紀
02:DREAMER’S PAIN
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:菊田大介(Elements Garden)
03:Dear Teardrop(Instrumental)
04:DREAMER’S PAIN(Instrumental)

※描き下ろしイラストジャケット
(C)サブロウタ・一迅社/citrus製作委員会

■関連リンク
Mia REGINA公式HP
こだまさおり公式ブログ

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