TWICE「Candy Pop」アニメMV制作秘話を京極尚彦監督が語る 「彼女たちに“ないもの”をあえて表現した」

京極尚彦監督が語る、TWICEの魅力

「周りには見せない部分も描いてみたい」

――制作を終えた今、京極さんがTWICEのメンバーそれぞれに感じている魅力も教えていただけますか?

京極:僕の勝手なイメージとしてですが(笑)、たとえばジョンヨンさんはボーイッシュでかっこいいイメージがあって、でも「きっとそれだけじゃないはずだなぁ」と思っていたら、ライブでは時折シャイな感じが垣間見えたりして、そういう部分はまた次の機会があれば表現してみたいと思いました。チェヨンさんの場合は絵が得意で、僕も彼女が書いた絵の素材を色々もらったので、それをMVのアニメパートで使ったりしましたね。お互い絵を描く人間として、どんなものに影響を受けたのか気になるメンバーです。

――ちなみに、その絵はどこに使われているんでしょう?

京極:アニメパートの序盤の停電するシーンのところで、壁にその絵を使わせてもらいました。他にはカーチェイスをしているシーンにも忍ばせているので、隠れミッキーのような感覚でどこにあるか探してもらえると嬉しいです(笑)。一方、ダヒョンさんは明るくて収録中に見ていても、「そのままな感じだな」と思いました。もちろん、彼女にもまだ自分には見えていない面があるはずなので、そういう部分も知ってみたいですね。

――モモさん、ミナさん、サナさんの日本人メンバーはどうですか?

京極:日本人のみなさんは言語が通じるので、実際に少しお話させてもらって言葉のニュアンスからその人の性格が伝わったりして、とても身近に感じました。全員関西人で、僕も関西人なので、その辺りも親近感がありましたね。ジヒョさんはあまり話せませんでしたが、MVが完成したときもすごく喜んでくれたし、リーダーとして立ち振る舞っているところがあって、しっかり者という印象を受けました。でも、同時に周りには見せない部分もあるはずで、次があればそういう部分もしっかり描いてみたいです。職業柄、こんな風に「次はこうしたい」と色々と考えてしまうんですよ(笑)。ただ、あくまで主役はTWICEのみなさんで、アニメはそれを邪魔しないようにしたかったので、完成したときにメンバーのみなさんが喜んでくれたことが本当に何よりでした。

――では、ナヨンさんとツウィさんは?

京極:ナヨンさんは、少しクールな雰囲気がある人で、女性が憧れる女性なのかな、と思いました。僕はこれまで、アニメでこういうタイプのキャラクターを描いたことがなかったので、これから機会があればそういうキャラクターにも挑戦してみたいです。ツウィさんはグループに広がりを持たせてくれる存在ですよね。TWICEは全員同じ国から出てきたグループではなくて、それぞれの出身地によってホームが変わるというところも、目から鱗の体験でした。

TWICE

――確かに、TWICEには様々な出身地のメンバーが集まって、多様性を体現しているような雰囲気がありますね。今回実写とアニメ表現による斬新なコラボレーションが実現したわけですが、今後TWICEのみなさんとやってみたいことがあれば教えてください。

京極:今回MVを作るのが大変だということは分かりましたけど、逆に言えばこんなことができるのはこのチームだけだとも思うので、アニメの短編でも、MVに一瞬入るインサートでも、何かまたお手伝いさせていただけたら嬉しいです。とはいえ、あくまで主役はTWICEの9人なので、お客さんの求めているものとアニメーションが合う瞬間が来たら、そのときはぜひ呼んでいただきたいです。僕は『ラブライブ!』の後にフルデジタル作画でアニメ作品も作っていますけど、その一番顕著なものが『宝石の国』(2017年)で、あの作品は「ジブリのような背景」と「3Dのキャラクター」と、「手書きのキャラクター」と「リアルな草の動きや風を表現するシミュレーション」という、一昔前なら共存できないと思われていた要素をひとつにして新しいスタイルを目指した意欲作でした。今回の「Candy Pop」のMVは「実写」と「アニメ」の融合だったので、自分の中で『宝石の国』の頃からあったテーマが今回のMVに行きついたという感覚もありました。

――これから、実写とアニメを融合させたMVは増えていくと思いますか?

京極:今回やってみて感じたのは、本来異なる畑のものが合わさるだけに、お互いをリスペクトし合って進めないと成立しないということですね。アニメ畑の人間は実写の撮影のことを知らないですし、実写の人はアニメの制作過程を知りません。だから、なかなか難しい作業だとは思いました。でも逆に言うと、それを突き詰めていけば唯一無二の表現が生まれる可能性があるということですよね。こういう作品は自分だけが手を挙げたところで作れるわけではないですから、そういう意味でも、今回の制作では本当にいい経験をさせていただけて嬉しかったです。

(取材・文=杉山 仁/撮影=稲垣謙一)

■リリース情報
JAPAN 2nd SINGLE『Candy Pop』
発売日:2月7日(水)

<CD収録内容>※全形態共通
01「Candy Pop」
02「BRAND NEW GIRL」
※「Clova Friends 双子ダンス篇」CMソング
03「Candy Pop (Instrumental)」
04「BRAND NEW GIRL (Instrumental)」

・初回限定盤A ¥1,852(+税)
CD+DVD+24p歌詞ブックレット+トレーディングカード(10種からランダムで1枚)
<DVD収録内容>
「Candy Pop」Music Video
「Candy Pop」Music Video Making Movie

・初回限定盤B ¥1,713(+税)
CD+DVD+トレーディングカード(10種からランダムで1枚)
<DVD収録内容>
「Candy Pop」Music Video Dance ver.
Jacket Shooting Making Movie

・通常盤 ¥1,204(+税)
CD+トレーディングカード(10種からランダムで1枚)

・ONCE JAPAN限定盤 ¥1,389(+税)
CD+チェンジングジャケット9枚+応募シリアルナンバー封入
※バレンタイン仕様チェンジングジャケット9枚(ソロ写真ジャケット×9人分)封入
※ONCE JAPAN限定盤はTWICEオフィシャルファンクラブ“ONCE JAPAN”会員、もしくは「ONCE JAPAN MOBILE」会員のみ購入可

・WARNER MUSIC DIRECT限定セット(特典BOX付きCD3形態セット) ¥4,769(+税)
初回限定盤A、初回限定盤B、通常盤のCD3形態に、特製収納BOXを特典として付属したWARNER MUSIC DIRECT限定のセット商品。

■配信情報
「Candy Pop」配信中
iTunes
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Spotify

■イベント情報
『TWICE Candy Pop CAFE』
2月1日(木)に東京と大阪で『TWICE Candy Pop CAFE』を期間限定でオープン。
Candy Popの世界観をイメージした店舗にカフェメニュー、さらにカフェオリジナルグッズの販売も実施。詳細は近日発表。

東京:2018年2月1日(木)~3月4日(日)
(渋谷BOX:東京都渋谷区宇田川町21-1 渋谷ロフト2F)
※渋谷駅より徒歩3分
大阪:2018年2月2日(金)~3月4日(日)
(DELASOUL CHARBON(デラソウルシャルボン):大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1あべのキューズモールQ-406)
※地下鉄谷町線阿倍野駅より徒歩1分

オフィシャルサイト

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