百花(元NMB48木下百花)、再始動後初イベントで見せた“弱い部分”

 百花が、再始動後初のイベント『今日の御言葉『生きるとは』~アナタも幸せの悦びに包まれてみませんか?~』を開催した。11月30日に行われた本イベントは、ベールに包まれた彼女の今後の活動を示す上での、大切な一歩であった。イベント終了後、マスコミ向けに開かれた囲み会見での彼女のコメントを交えながら、本イベントを改めて振り返っていきたい。

 木下百花あらため百花は、9月27日に行われたNMB48劇場での公演をもってグループを卒業。自他共に認める“問題児”として注目を浴びる存在であったが、NMN48の1期生として男気溢れるその振る舞いでグループを牽引し、女子人気を不動のものに。卒業後、11月6日には「百花」へと改名し再始動することを発表。自身の“教祖化”やバンド結成、ファッションブランドの展開もアナウンスし、その動向に視線がそそがれていた。

 イベント当日、「スーパービーイングフリーター」という名のTwitterアカウントで、公式サイトオープンをファンに向けてツイート。「天使」の絵文字アイコンと「神様」を意味する「スーパービーイング」、イベントタイトルにある「今日の御言葉」というワードから、それとなく彼女から放たれるメッセージをキャッチしながら、イベントが開催される東京キネマ倶楽部へと足を運んだ。

 百花は、卒業公演前にも『木下百花・更生施設 祝!出所イベント』と題したイベントを味園ユニバースで開催していた。内容は、NMB48の楽曲やカラオケによるカバーの歌唱というもの。対して、今回のイベントを大きく分けるなら、「合唱」「ライブペインティング」「カラオケ」「バンド」の4つのパートで構成されていた。

 期待に胸躍らす表情のファンの前に白装束に身を包んだ集団が現れ、その後にゆっくりと百花が姿をあらわす。センターの台座に上がった百花は、右手のひらを前にかざすと会場には合唱曲「あなたに会えて・・・」が流れ始めた。両手をいっぱいに広げて指揮を振る百花に会場にはクスリと笑いが起きていたが、事前に配られた歌詞カードを見て、ファンも彼女の姿に歌で応える。誤解を恐れずに言えば、まさに教祖と信者の関係性。後の会見で百花は、この時のことを「私自身もどういう受け取られ方をするか、結構不安だったんで、オープニングの時に笑いが起きてて、ホッとして、出た後も『百花だな』という感じで見ててくれたので、嬉しかったです」と語っている。彼女の言う通り、会場には笑いと共に、そんな百花を受け入れるような和やかな雰囲気が漂っていた。

 白装束集団と百花が手を繋ぎ、“御言葉”が流れた後、会場のサブステージにはDJが登場。大音量のアンビエントミュージックが先ほどまでの空気を一変させる。一枚壁の前に再び現れた百花。「生きていてごめんなさい」「私にはなにもない」。自問自答を繰り返す、本人によるナレーションをバックに、百花はペンキで一人、また一人、不気味な人の絵を描いていく。男の子、女の子と……9人を描き切ると、台座の上に座り込む百花。「自分はなんでここにいるんだろう」ーー苦悶の果てに、百花は再び起き上がり、赤、黄、青、黒のペンキを手に塗りたくり、ベチャッ、ベチャッと人の絵に上書きしていく。ステージの上も、壁も、百花自身もペンキだらけになり、彼女は台座にうつぶせに倒れこむ。静寂に包まれる会場に、光が差し込むように流れてくるのが「翼をください」だった。

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