iPhone 8 / 8 Plus / Xの注目ポイントは? ジェイ・コウガミ氏がエンタメ新機能を解説

 日本時間9月13日に発表された、iPhone 8 / 8 Plus / X。ワイヤレス充電やXに導入された顔認証など、様々な新機能に注目が集まる中、iPhone 8 / 8 Plusは9月15日より予約開始となり、ユーザーの期待は益々高まっている。そこで海外の動向にも詳しいデジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏に、新型iPhoneの注目ポイントについて話を聞いた。

iPhone8(Apple公式サイトより)

「ホームボタンがなくなり、画像技術が進んで顔認証ができるようになったというのはやはり面白いところ。今まであったものをなくしてしまう、というのはAppleのこれまでの姿勢と同じですが、ホームボタンがなくなったことなどからは、時代が変わる節目なのかなという気もします。今後Macでも顔認証や画像認識が進みそうですね。Appleは今、技術的なブレイクスルーで新しい製品を作るというより、生活や社会で何が必要とされているかを考えていて、社会インフラ的なものづくりを目指しているのだと思います」

 新型iPhoneにおいては、AR技術の強化も見逃せないところだ。新型iPhoneではCPUにA11 Bionicが搭載され、ゲームやアプリにおいてより滑らかでリアルなARを体験できるようになる。

「これはARだけでなく全体に言えるのですが、開発者の力が試されたり、開発者の可能性を広げてくれるのが今回の新型iPhone。iPhoneを使って手軽にAR技術を使えるようになったということは、そうしたコンテンツや、コンテンツとアプリの統合もどんどん増えていく。そこに個人の開発者や企業、スポンサーシップが介入するのではないでしょうか。ARや顔認識のカメラ技術、センサー技術などがそうしたエコシステムを拡大していく次の一手となりそうです」

 こうしたiPhoneの新技術は、今後音楽やエンターテインメントとどう関わっていくのだろうか。iPhone Xでは、精巧なインカメラであるTrueDepthカメラで顔の筋肉の動きを捉え、パンダやネコなど12種類のキャラクターに表情を反映させる新機能・Animojiが目玉の一つとなっている。

「Appleは今、プライベート/パーソナルなコミュニケーションに力を入れていて、その象徴が今回発表されたAnimojiです。Animojiをカスタマイズできるようにしていくということは、今後アーティストなどが参入して自分たちのカスタムの絵文字を作れるようになるはず。例えば、エド・シーランやテイラー・スウィフトのAnimojiが出てくるということもあり得ますね。他にもARを使ってカメラをどこかにかざしたら、ブルーノ・マーズのアルバムの情報が出てくるとか。これまでもそうしたプロモーションを行なっている企業はありましたが、それがネイティブでできるようになるというのはiPhoneの強みになっていくと思います」

 9月20日からはiOS最新バージョンのiOS11もリリースされる。音楽面においては、Siriの音楽コンテンツのレコメンド機能が強化され、Apple Musicで「友だちが聴いている音楽」が表示されるようだ。これを踏まえ、ジェイ氏はApple Musicの今後について以下のように期待を寄せた。

「Siriを始めとするレコメンドエンジンのアルゴリズムを使って、レコメンデーションやマッチングを強化させていく。その領域において、Apple Musicの伸びしろはまだまだあります。また、iPhone以外で音楽を聴かせる、という部分でも大きな可能性がある。今回発表されたApple WatchでもApple Musicで音楽が聴けるようになったり、SiriとApple Musicが連携してAirpodsでSiriがレコメンドした音楽を聴けたり……iPhoneをワイヤレス化して、様々な入り口から音楽コンテンツに接続できるようになっていくと思います。HomePodにもiPhoneから音楽を飛ばせるようにするなど、Apple MusicをiPhoneだけでなく色々な場所から接続できるようにしているという印象です」

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