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NGT48はAKB48グループにおける特異点? デビュー作の特典映像全メンバー分から紐解く

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 AKB48が結成10周年を迎えた2015年に、新潟を拠点とするNGT48が新たに誕生した。HKT48結成以降、約4年ぶりの国内姉妹グループとなるNGT48は、1期生として初めて経験豊富なメンバーを所属させたグループである。AKB48から移籍してきた北原里英がキャプテンに就任し、柏木由紀もAKB48との兼任を続けている。

 2016年1月にNGT48劇場がオープンし、公演がスタート。同年、6月にHARD OFF ECOスタジアム新潟で開催された『AKB48 45thシングル選抜総選挙』でのコンサートにて、NGT48のメジャーデビューが発表された。

 NGT48は姉妹グループの中で、結成からデビューまで最も時間を要したグループでもある。デビューシングル『青春時計』は、お披露目から約1年8カ月後の4月12日に発売された。地域密着型を謳い、数多くの新潟企業とのコラボレーション、新潟でのレギュラー番組もテレビ、ラジオでスタート。満を持してのリリースは、まさに“機が熟した”といえる。オリコンでは週間CDシングルランキング1位、Billboard Japan Hot 100でも同じく「青春時計」が1位を獲得するなど、好調なスタートを切った。

NGT48『青春時計』MUSIC VIDEO / NGT48(公式)

 「青春時計」は背中にリボンを携え、妖精をイメージさせる衣装。結成時から一貫した赤白というこだわりには、新潟県の県鳥であるトキの存在を感じさせる。48グループにとって、デビュータイミングで制服以外の衣装を纏うのは、実は初の試みだ。また、表題曲の振り付けを担当したのは、水曜日のカンパネラなどを手がける竹森徳芳氏。春らしい歌詞が特徴の冒頭と末尾のラップ調パートも、デビュー曲としては異色といっていい。これらの、48らしさからいい意味で逸脱したクリエイティブにおける工夫は、シングルのType-A,B,Cに収録されているメンバー全員分の特典映像に最も現れている。

 “AKB48グループとして初の試み”であるメンバー全員分の特典映像は、乃木坂46や欅坂46といった“坂道シリーズ”では「個人PV」としてすてにお馴染み。「メンバー ×クリエイター」という形式で制作され、メンバーのパーソナリティーやクリエイターの世界観が投影された、プロモーション動画にとどまらない映像作品として認知されている。

 本稿では研究生を加えたNGT48メンバー26人(現在は水澤彩佳が卒業し25人)の特典映像を、Type-Aから収録順にレビューしていく。

Type-A

NGT48 大滝友梨亜 × DjHiRo Fantastic Motion

 「Code Y」と題された大滝友梨亜の映像は、ロボット工学の権威であり亡くなった父の残したロボットに、ある文字列を入力することでパスワード認証を解き、そのロボットを手にいれるという近未来型SF作品。本格的なロボットCGに度肝を抜くも、最後の「なめんじゃねぇぞ!」という叫びは、研究生としての彼女の本心にも聞こえてくる。

NGT48 大滝友梨亜 × DjHiRo Fantastic Motion

NGT48 荻野由佳 × 石井麻里

 荻野由佳の脳内で、天使と悪魔が自問自答を繰り返す「おぎゆかのあたまのなか」。美しいピアノの旋律と淡い青春映画のような映像の中で、話題はNGT48のトップから男性のタイプ、空腹、動物園に行きたいなど、賑やかに移り変わっていく。バイトAKBを経て、「ドラフト2期生」の即戦力としてグループに加入した荻野。「私に出来ることって何だろう?」という問いに、彼女は答えを見つける。「笑顔は伝染することを、グループのトップに立ち証明したい」と宣言する荻野の顔は晴れやかだ。

NGT48 荻野由佳 × 石井麻里

NGT48 小熊倫実 × 田中敦子

 小学生の頃より太鼓を経験していた小熊倫実は、『AKB48 ネ申テレビ』(ファミリー劇場)にてユニット「鼓童」とコラボレーションを果たしている。今回の個人映像では、地元新潟の萬代太鼓飛龍會と新潟民謡を演奏。力強く太鼓を叩くその堂々とした姿は、グループ最年少とは決して思えない。彼女の長所は、飲み込みの早さ。これから彼女がどのようなものに挑んでいくのか、と楽しみにさせる映像だ。

NGT48 小熊倫実 × 田中敦子

NGT48 柏木由紀 × フカツマサカズ

 コートを羽織り、サングラスをかけた柏木由紀がオープニングから颯爽と登場する、無声映像で構成された「ESCAPED GIRL」。エキゾチックかつファッショナブルな映像を手がけたのは、B’z、ONE OK ROCKなどの作品を担当してきた映像監督、フカツマサカズだ。ゴリラに扮したカメラマンに、妖艶な姿で撮影されていた柏木は、ひょんなことからマフィアの取引の現場に遭遇してしまう。ラストは、楽屋でくつろぐNGT48の制服を着た彼女が登場。クールに決める柏木と、あどけない姿の二つの彼女の姿を表している。NGT48加入により後輩メンバーに触れ、AKB48加入当時の初心を思い出したという、柏木の何ともユニークな映像作品である。

NGT48 柏木由紀 × フカツマサカズ

NGT48 加藤美南 × マムシの三男

 柏木の無声映像に対して、加藤美南の映像は“語り”だ。「私にとっては帰るべきところです」「新潟を広めるため」「先頭に立ちたい」。純粋無垢で真っ直ぐな瞳で語る、彼女の言葉は強い。AKB48のシングル選抜経験も持つ彼女の特技は、小学校3年生から始めたバトントワリング。バトンがあったから、今の自分があると彼女は語る。しかし、NGT48のパフォーマンスにバトンはない。彼女の今の目標は、バトンをやっていた頃の自分より輝き、AKB48を超えることだ。

NGT48 加藤美南 × マムシの三男

NGT48 角ゆりあ × 加藤マニ

 エレクトロポップ調のサウンドで角ゆりあが歌う「かどとまぼろし」は、一度聴いたら頭から離れない楽曲だ。“歌もの”の個人映像を手がけたのは、邦楽ロックバンドの映像作品を多く手がける加藤マニ。昨年の選抜総選挙のポスターに「笑うかどにはゆーりん来たる!」とキャッチコピーを掲げていた彼女。曲中では<消しゴムのかど><かどを曲がると>など、名字の“かど”を被せた歌詞が多数使われる。映像に何度も出てくる消しゴムも、「KADO」とデザインされているのが、ニヤリとさせる。

NGT48 角ゆりあ × 加藤マニ

NGT48 北原里英 × 佐藤亜美

 白い雪の上で、ふわりと舞踏する北原里英。雪の舞う新潟の街で、彼女は空を見上げ、遠い未来を見据えているかのようだ。監督はアイドルやアニメのMVを多く担当する佐藤亜美、音楽をTakeshi Iwamoto(QUATTRO)が手がけた。2008年にAKB48の5期生としてデビューした彼女は、SKE48との兼任、ユニットNot yetを経験し、2015年にNGT48に移籍した。「PRIME」という今回のタイトルは、現在の彼女の心情を表しているのだろうか。ラストに北原は、階段を駆け上がり、手を伸ばし、何かを掴もうとする。

NGT48 北原里英 × 佐藤亜美

NGT48 日下部愛菜 × 今泉 洋

 日下部愛菜の映像は、ローラースケートに挑戦する「ちょっぴりしょっぱいドキュメンタリー」。指導にDJ TAROを迎え、スケートを習うもなかなか上達はせず、彼女の横を小さな子供が悠々と通り過ぎていく。悔しさが溢れ、涙を見せる日下部。バイトAKBからのドラフト候補生を経て、NGT48に加入した彼女は、下積みを重ねてきた人物だ。結果として、劇場公演ではセンターのアンダーを任せられることも多い。失敗や挫折を経て、涙の分だけ彼女は強くなる。

NGT48 日下部愛菜 × 今泉 洋

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