Leolaが新作で見せた“ビーチミュージック”の幅広さ ドラマ『ラヴソング』出演後の成長を語る

Leola、新曲と『ラヴソング』での成長を語る

 今年4月にシングル『Rainbow』でメジャー・デビューをしたシンガー・Leolaが2作目のシングル『Let it fly』をリリースした。現在、ミランダ・カー出演のSamantha Thavasa Autumn-Winter 2016のTVCMソングとしてもオンエアされている「Let it fly」は、作曲をしたsent tentとともにLeola自身も作詞を手がけた切なくも力強いラブソングとなった。爽やかで透明感にあふれた歌声が、恋に臆病となった気持ちを後押ししてくれる1曲だ。

「夏にリリースするということで、夏を感じる爽やかな曲にしたいというのがひとつと、この曲を初めて聴いたときに思った『身近な大切な人に、後悔のないように自分の想いを伝えてほしい』というメッセージが、より多くの人にストレートに伝わる歌詞、曲にしたいと考えていました。この曲はライブでもサポートしてくれている藤本藍(sent tent)さんが、『Leolaちゃんに是非歌ってほしい』と作ってくださった曲だったのですが、本当にわたしの好きなテイストの曲で。そしてその中にちょっとした切なさがあるという意味で、わたしが思う『自分の良さ』が出せる曲という印象と、さらに当時自分の内に芽生えていた伝えたメッセージを、この曲に乗せたらきっと舞い上がるように羽ばたかせられるんじゃないかなと思ったんです」

 〈二度と来ない瞬間(とき)逃さないで/後悔はしたくないの〉〈だから私の言葉にしてLet it fly,let it fly/あなたに届けよう〉と晴れやかに歌い上げるそのメッセージは、Leola自身の経験が元になったと語る。

「より切実にこの想いをみなさんに届けたいということと、このメロディに乗せたときにどう届くかを考えて、何度も書き直しながら、最終的に恋の歌詞になっていきました。きっと、こういう淡い恋や、なかなか一歩踏み出せない経験はみなさんあるんじゃないかなと思って。みなさんに共感していただいて、ストレートに伝わる歌詞になったらいいなとこの形になりました。普段はなかなか素直になれなくて、大切な人が身近であればあるほど、『ま、明日でもいいか』とか『いつでも言えるだろ』と思ったり、近くにいてくれていることが当たり前だと勘違いしてしまうことがあると思うんです。もちろん、わたしもそうだったんです。でも実際に、『いつものこの風景が当たり前じゃないんだ』って感じた出来事があって。切実に感じた想いを今わたしが歌うことで、みなさんにも考えてもらったらいいなと思って書きました」

 美しく繊細なピアノとボーカルではじまり、心境の変化を物語るようにドラマティックなストリングス、ビートが躍動していく。とくに後半に盛り上がっていくギターの音色に関しては、デビュー時から大事にしている“Leolaらしい音”ということで、彼女自身がより多めに入れてほしいとオーダーしたもの。「だんだんアレンジもダイナミクスを増していくというか、少しずつ楽器が増えて、主人公の彼女の気持ちを後押ししていくアレンジになっていって。歌が乗ったとき、歌詞の良さが膨らんだなと思いました。ラストで、本当に自分の気持ちを解き放つように歌うことができたのもこのアレンジがあったから」と、サウンドへのこだわりや思いや欲も、制作を重ねるなかで具体的になっている。Leolaのボーカルもまた、より細やかな表現力を増している。

 デビュー直後に、フジテレビ系月9ドラマ『ラヴソング』に出演。ドラマ後半の鍵とも言える人物、大物女性シンガー・シェリル役を演じた。はじめての演技経験については「歌のストーリーと、作品の役を演じることは、表現の方法として共通点もあれば大きな違いもあると感じた」と率直に語る。そして「言葉を表現をするという意味では、音楽の中で表現するよりも難しいなと思いましたし、でもそこに気づけた、挑戦できたことは自分の音楽の表現の幅にとても活きてくる気がしています」とも、付け加えた。デビュー時のRealsoundのインタビューでも、好奇心やチャレンジ精神がますます旺盛になっていること、今この瞬間の思いを逃すことなく伝えたいことを語っているLeola。この「Let it fly」はまさに、彼女自身の心のあり方をしなやかに伝える曲だ。

 またカップリングでは、新機軸のサウンドである、都会的でグルーヴィンなR&Bチューン「I Believe」で、甘くソウルフルなボーカルを響かせる。そして、「I’ts a “New day”」は自身が2年前に作詞・作曲をした曲。ゆったりとしたビートにアコースティックギターを爪弾き、そこにスライドギターがやわらかに横たわるサウンドは、心地よい風がそよぐ海の景色が似合う。自らの音楽を“ビーチミュージック”と称し、思いや経験をオーガニックな音楽へと昇華する、Leolaが奏でる音楽のもっともシンプルな形と言える曲だろう。

「自分で作ったデモ自体がアコギとわたしの歌だけという形だったので、今回収録するにあたって、その素朴感はあまり崩したくないなという願いはありました。毎日、日々やってくる朝に感謝するという心を歌った曲なので、そういう意味ではとても音も心も大切に、歌詞も大切に聴こえる、そんな曲になったらいいなと思っていました」

 アレンジを手がけたのは、Curly Giraffe=高桑圭(ex GREAT3)。ライブでもベーシストとしてサポートをしており、Leolaの音楽のよき理解者でもある。

「仕上がってきたアレンジを聴いたときに、高桑さんが『派手なことはせずに手を加えすぎず、やりすぎずいい曲にしました』とおっしゃていて。しかも『シンプルさだったり素朴さは残したかったので』というのを言ってくださった時に『間違いはなかった!』と思いました(笑)。汲み取っていただけたなというありがたみを感じました」

 3曲3様のサウンドとなったシングルでいて、そのどの曲にもLeolaの大事な思いが詰まっている。等身大の思いをナチュラルに、ポジティブに歌にするシンガーとして、またソングライターとしても、これからにも期待したい。

「今回のシングル「Let it fly」は、わたしの幅の広さっていうか『ビーチミュージック』っていうものの幅の広さというのを改めて感じる1枚になりました。でも、その中でも芯をもってわたしを表現するという意味ではブレずにできたなとは思いますし、“今”っていうこの瞬間を大事にした1枚になったと思います。今を大事に、今を楽しんでいただきたいなというメッセージが皆さんに伝わったらいいなと思います」

(文=吉羽さおり)

■リリース情報
『Let it fly』
発売:8月24日(水)
価格:
【初回生産限定盤】(CD+DVD)¥1,500(税込)
<CD収録曲>
1. Let it fly
2. I believe
3. It’s a “New day”
4. Let it fly instrumental
<DVD収録内容>
Let it fly Music Video

【通常盤】(CDのみ)¥1,000(税込)
<CD収録曲>
1. Let it fly
2. I believe
3. It’s a “New day”
4.Let it fly instrumental
5. I believe instrumental
6. It’s a “New day” instrumental

【期間生産限定盤】(CDのみ)¥500(税込)
1. Let it fly

■OFFICIAL WEB SITE
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